計画道路にかかる土地を購入する上で、道路提供による立ち退き料と補償内容を事前に把握することが重要です。
立ち退きの補償内容などを知らずに、計画道路の案件を購入するのはちょっと怖すぎます。
計画道路に掛かる物件は、土地だけ取られてしまう残念な物件もあれば、なんと1,000万も購入したときに比べて儲かった物件というのも存在します。
計画道路の土地・物件を購入するには、事前に補償内容を知っておく方がベスト。
今回は、都市計画道路で立ち退きされたお客様を接客した経験と、ニュースなどの情報を担保に、都市計画道路の補償内容と4つの注意点を解説させて頂きます。
[box class="pink_box" title="この記事を読んで分かること"]
☑計画道路の補償内容が分かる。1,000万円儲かった理由も
☑計画道路の補償内容の注意点が分かる。
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計画道路の立ち退き料の5つの補償内容
計画道路の土地価格(路線価~実勢価格)
計画道路ラインに掛かっている土地を、自治体が買い取りする際の1つの目安が、路線価という道路に値段を付けて土地価格を算出する方法で買い取りをします。
路線価は、相続時に不動産の価値を算出する際に利用する国が決めた1つの基準です。
路線価は実勢価格(販売価格)の80%程度で値段を付けられていることが多く、市役所の基準で買い取りされてしまうと、安く買い叩かれたのと同じです。
路線価で買い取りされるって事は、建売業者よりも安い金額になってしまいますから、路線価では無く実勢価格での買い取りにするをオススメします。
実勢価格を知りたいのであれば、タウンライフ不動産売却の一括査定を利用して、土地価格を算出する方法がオススメです。
役所じゃ無くて不動産屋に売るのもアリ。
計画道路ライン内の土地にある建物価格
計画道路の為に買い取りするのは土地だけではありません。
土地を購入し道路にするためには建物を買い取って、解体する必要があります。
通常の不動産買い取りであれば、建物価格は時価(築年数)で判断てしまい、築20年以上経過であればほぼ0円と価値はありません。
ですが、計画道路は違います。
計画道路の優秀なところは、計画道路の建物買い取り価格は「再建築価格」所謂新築価格です。
なぜボロボロの家を自治体は新築価格同様の金額で購入してくれるのでしょうか?
それは、道路にして貰う為の協力費と考えればわかりやすいかと・・・
立ち退き者にとってメリットが無ければ協力してくれません。そのメリットが、新築価格で買い取りするって事です。
新築同様の金額で購入してくれるわけですから、これはおいしい話。
計画道路内の造作部物(動かせない物)
計画道路は建物だけでは無く、建物の外構である「門扉・ガーデニング・その他動かせない物」も、建物価格以外に補償してくれます。
外構にだってお金は掛かりますからね!
注文住宅だと外構代で200万円ぐらいはかかっているんです。これを補償してくれない困るって思うのが普通。
ただ、造作物は自治体の予算によっては補償しない場所もあるようなので、計画道路の掛かる土地を購入する前に確認しておくことを強くオススメします。
引っ越し費用・仮住まい費用(上限有り)
仮住まい費用についても、補償が出るようです。
私の接客したお客様は半年分の仮住まいを月8万のアパート代を6ヶ月分の約50万円が出たそうです。
ただ引っ越し費用は特になかったそうで、これも自治体によって変わるかもしれません。
迷惑料・思い出料代
役所の立場からして一番難しいのが「迷惑料・思い出料」です。
計画道路で立ち退くのは、なにも住宅だけではありません。お店だって計画道路によって移転せざる終えなくなります。
地域密着でやってきたお店からして見れば、道路提供により店舗異動は、今まで来ていたお客様が減ってしまう事に繋がります。
店からして見れば、迷惑の何者でもありません。
この場合は、土地+建物以外にも、迷惑料としていくらかお金を支払うようです。
計画道路が決まった段階で、迷惑料目的でお店を始めた人も居るようでして・・・・
販売していた物件の近隣住民の中には、計画道路が施工されるのを楽しみに待っている人もいました。
計画道路の立ち退きで1,000万円儲かった!?思い出料の存在。
その土地に住んでいると、何かしらの思い出って出来ますよね!
その思い出を捨てたくないのに、計画道路の立ち退きによって、建物が破壊されてしまう=思い出の場所を失うことになります。
SUUMOの記事によると、計画道路の思い出料で1,000万円儲かった人もいるようです。
最近でも、10年前に土地代込み4000万円だった家が再開発の対象地域となり、5000万円で売れたなんてケースがあるという。
通常なら10年も住めば1000万円以上値下がりしてもおかしくないが、プラス1000万円という破格の値段がついたのだ。
「例えば、子どもの身長を測る柱の傷は『子どもを育んだ家』という家主の思い入れを感じさせます。
庭に植えられた木も『家族を見守ってきたシンボル』として、思い出深いストーリーになります。
そうした“物語”が多ければ多いほど、査定の金額は高くなります。だから家を買ったときは、とりあえず庭に木を植えることをオススメします(笑)」
出典:SUUMOジャーナル
CMで使われるようなベタな事も、買い取り価格を上げる秘訣とか(笑)
実際、自治体の本気度と予算によるところもありますが、殆どの方が計画道路の立ち退きで儲かっているのは事実だと思います。
あくまでもご参考程度に・・・
次は、計画道路の立ち退き料の注意点です。
都市計画の立ち退き料の4つの注意点
売買契約後・更地後と2回に分けてお金が振り込みされる。(キャッシュフロー注意)
計画道路の立ち退き後の住み替えで、物件を購入する人は、自治体の立ち退き料の支払い方法に要注意です。
多くの自治体は、売買契約締結後&引き渡し時に、立ち退き料の補償額全額を渡すわけではありません。
売買代金の7割~8割程度しか支払いをしないところが多く、残りの2割~3割は建物解体後に支払うという2回払いなのです。
要は携帯電話を買う方法と同じです。
なんだ!最初に7割程度入るなら良いじゃん!って思っておりませんか?
特に住み替えをしない人であれば問題は無いでしょう。しかし問題は住み替えする人です。
住み替え先購入時のスケジュールを失敗すると・・・
決済時に市役所からお金が入ってこないから払えない⇒約定日に違約⇒違約金を支払うっていう最悪のループに入ってしまいます。
住み替え先を購入する場合は、必ず立ち退き料を支払う担当者にスケジュールを確認し、先方の不動産営業マンとよく相談しましょう。
補償内容要注意!残地を買い取りしてくれない自治体もある。
道路提供した後に余った一部の土地(残地)を持っていても仕方ありません。
ですが、計画道路には沢山のお金がかかるので、自治体によっては残地を一切買い取らない場所もあります。
もし、計画道路で余った土地が、三角形などの利用しにくい変形字型だったり、住宅ローンすら使えない40㎡以下の土地になってしまったら、固定資産税だけが掛かる不良債権になってしまいます。
自治体が残地を買い取りするのかを踏まえて、計画道路にかかる土地はお買い得?メリット・デメリット5選を元プロが解説で紹介している調査方法を参考にしてみてください。
建物の半分以上、計画道路ラインに掛からないと補償されないことも・・・
計画道路ラインが建物の半分以下、もしくは一部のみしか掛かっていないとすると、建物の全体の再建築費用では無く、建物の一部の再建築費用しか出ない場合があります。
この問題は、東京都北区の上十条~十条仲原の補助73号線の計画ラインが建物の1/3しか入っていない為、補償されないとビビットで見たときは衝撃を受けました。
酷すぎるよ・・・東京都。
注文住宅を建てるために、計画道路の土地を購入したのであれば、計画道路ラインに建物が入るような配置で建てる事をオススメします。
建売購入時でも、計画道路ライン内に建物が入っていない物件だったら、補償されない可能性もあるので要注意ですよ!
代替え地が無い場合もある。地元に住めないことも。
補助73号線で問題になっているのは、戸建てとしての住み替え先が無いって事です。
補助73号線は「北区上十条~十条仲原」は借地権だらけであり、立ち退いた方が住めるような代替え地はありません。
この場合は、マンションやアパートに住むか、戸建てに住みたいのであれば、住み慣れた街を出て行く必要があります。
[voice icon="https://dokusyonoaki-blognoaki.com/wp-content/uploads/2018/05/akidaisama-1-e1526711734348.jpg" name="秋月" type="l"]
埼京線【十条】エリアは再開発されているエリアで、個人的に大好きな街です。
40階建てのタワーマンションが建設予定なので、もしかすると、立ち退きされた方の為の代替え地目的として建設されたのかもしれません。
タワーマンションが嫌で、戸建てに住みたい人は、板橋に行くか、川をこえて埼玉に行くのどっちかになりますね。
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市街化調整区域に建てて良い特例が貰える場合もある。
補助73号線辺りの都内であれば、代替え地を出す余裕はありませんが、ほかのエリアであれば、特例で市街化調整区域(農業をやる場所)に建物を建てて良い場合があります。
市街化調整区域で建てられるメリットは以下の2つ。
[box class="blue_box" title="市街化調整区域で建てられるメリット"]
☑土地代がすごく安い!
☑土地が広い上、周りの建物が無く静か。
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市街化調整区域は、農業を行う為の土地であり、建物を建てて街を作る場所ではありません。
そのため、原則建物を建てるのはNG。建てる為にも許可必要になります。
つまり勝手の悪い土地です。そのため土地価格も安いのです。
既に市街化調整区域内で建物を建てる許可を立ち退き時に貰っているのであれば、市街化調整区域内の土地を購入するのも1つの選択肢です。
当然、周りにも建物等がありませんから、静かにに暮らせますが、利便性が悪い物デメリットの1つ。
ただ、子供をのびのび育てたいっていうのであればアリなんです。
子育てのために、市街化調整区域を購入する人もいるくらい。
今はパソコン1台あれば何処でも仕事が出来る時代ですから、「自然に触れてゆっくり暮らしたい」って人にはオススメの物件です。
ただし、オフィス街でバリバリ働く、共働きで駅近く無いと厳しい人にはオススメは出来ない選択肢です。
どちらにしても、計画道路の担当者に市街化調整区域内の特例を確認しておくのが良いでしょう。
まとめ
[box class="glay_box" title="計画道路の立ち退き料で1000万儲かる!?補償内容と4つの注意点を解説 まとめ"]
☑都市計画道路の補償内容は「土地価格」「建物価格(再建築価格)」「造作物の補償」「引っ越し代」「迷惑料・思い出料」の5つ!土地価格については路線価じゃなくて、実勢価格まで交渉するべき。
☑思い出料が評価されると、購入時より1,000万円も高く評価される事もある様子。あくまでも参考程度に。
☑注意点は4つ!「支払いが分割払い」「残地は買い取りしない自治体もある」「一部しか計画道路ラインに掛からない建物は補償額が少ない」「代替え地がない」の4つ!特に住み替えする人は、立ち退き料の貰える時期と決済の支払い時期のスケジュール管理を忘れずに!
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