中古・新築・マンションor戸建てで、フラット35を利用する際に必ず必要になるのが適合証明書です。
適合証明書は、購入する物件(融資対象)が一定の建築技術・立地条件を満たした物件というのを証明する書類です。
フラット35の融資を受けるためには、必ず適合証明書の発行手続きを売主に依頼する必要があります。
(通常の銀行ローンであれば適合証明書は一切不要。)
初めて「フラット35を検討している人は、適合証明書を取得しないといけない」と言われてもよく分からない人が殆どですので、トラブルに巻き込まれている人も一定数居ます。
書類を取得するだけでトラブルって何か怖いですよね?
今回は、適合証明書の手続きを設計に直接依頼していた元建売屋(売主)の私が、適合証明書の費用面・スケジュールの流れ・注意点を解説させて頂きます。
Contents
フラット35の適合証明書の発行費用はいくら?結論:売主指定の設計事務所の金額で決まります。
適合証明書の費用は、売主指定の設計事務所の金額で決まります。
と言うのも、適合証明書を取得する際に、現在販売している図面・平面図等以外にも、適合証明書発行時に必要な図面を作る必要があるからです。
よく仲介会社さんの方の中で・・・
「提携先が適合証明書の申請をやっているから、そこだと安いですよ」って言う方がおりますが、売主の許可が無いと依頼できません。
そして、売主が適合証明書を発行を依頼する場所=物件を設計した設計会社と決まっておりますので、仲介会社の知り合いを使うって言うのは現実的な選択肢では無いのです。
とはいえ、相場が分からないと困ると思いますので、経験を担保にした他社の適合証明書発行費用を踏まえると、税別10万~15万ぐらいが相場です。
それ以上高いとなると、抜いている可能性があるので、値段の根拠を聞いてみた方が良いです。
次は、適合証明書を発行する際に絶対に守って欲しい注意点です。
フラット35の適合証明書発行時の2つの注意点
適合証明書の発行時のココに注意
☑JIOなど売主に適合証明書を依頼するよりも安い場所はあるが、売主の設計事務所の協力がいるので、安くは出来ない。
☑フラット35の本審査が通ってない無いのに、適合証明書の発注依頼をしてはいけない。
1つずつ解説してきます。
JIOなど売主に適合証明書を依頼するよりも安い場所はあるが、売主の設計事務所の協力がいるので、安くは出来ない。
適合証明書の相場が10万~15万(税別)と聞いて安いって思いましたか?
そういうものなら仕方ない・・・って思いつつも高いよって思って居る人が殆どだと思います。
仲介会社や知識のあるお客さんは、瑕疵担保責任保険のJIOなどが運営している適合証明書事務手数料は、JIO我が家の保険に加入すれば最大で3.4万(税別)という破格の金額でやってくれます。
参照:JIO我が家の保険
フラット35Sでも6万~です。
15万と3.4万円じゃ大違いですよね。
私も現役時代は、10万以下に出来るんじゃないのって思っていました。
ですが、ここにも落とし穴があって、JIOが適合証明書に必要な書類を作るわけでは無く、あくまでも設計事務所に用意して貰った場合の金額って事です。
JIOはあくまでも現場検査のみです。
設計事務所がただ働きして図面を作ってくれるのであればOKですが、そんなことは一切あり得ませんので、売主に任せるしか無いというのが現状です。
売主さんの担当営業マンが用意してくれるかを確認してみるのは有りでしょう。
昔、全て自分で書類を揃えようと設計の人・上司にお願いしましたが、速攻で怒られた苦い思い出があります(笑)
フラット35の本審査が通ってない無いのに、適合証明書の発注依頼をしてはいけない。
事前審査がNGではなく「留保」できたから大丈夫!
早く引き渡しを受けたいから、本審査の承認を得る前に売主のお金を払って、先に適合証明書の審査を受けようとする人がおります。
ですが、残念ながらフラット35の事前審査ほど当てにならない物はなく、「留保」でも本審査で落ちる人を何十人も見てます。
ここで、気になるのが適合証明書の発行時に渡したお金が戻ってくるかの問題ですが・・・・
結論から言うと
お金は戻ってきませんよ。
理由は簡単。本審査が受かろうが落ちようが、設計に書類を作って貰っている・現場検査をしている以上、お金を支払わなければなりません。
これは本当にトラブルになります。
上記のリスクを一切説明していない仲介会社が、決済を早めたい理由により、お客様に本審査前に適合証明書を取得させようとする人も居ましたので要注意。
腹立たしいかったのですが、仲介業者の担当営業マンが言い出したのに、お金を払わないって言うね。
訳の分からない使わない書類だけもらい、泣き寝入りしてしまうって事の無いよう、必ず本審査の承認後に申請しましょう。
フラット35の適合証明書の発行の5つの流れ。(2週間~3週間は掛かる)
適合証明書の発行にはものすごく時間が掛かります。
早く引き渡しを受けたいからと言って、適合証明書の発行を早めて欲しいって言われても、残念ながら早くすることは出来ません。
理由は簡単で、審査の時間が掛かる部分が役所次第になるから。
お役所の混み具合・仕事次第で時間が決まります。役所が頑張って早く出してくれれば、若干早まる場合もあります。
以下が適合証明書の発行の流れです。
適合証明書の発行の流れ
1:フラット35の本審査が下り、売主が設計事務所に依頼する。
2:設計事務所がフラット35に必要な図面を作る。(矩計図・他)2日~3日
3:設計事務所が作成した図面を建築審査期間が審査する。7日~10日(役所の混み次第)
4:図面通りに出来ているかの現場検査(屋根裏・排水設備隠れていないか等を確認)
5:現場で直接or郵送で送られてくる。
1つずつ詳しく解説します。
1:フラット35の本審査が下り、売主が設計事務所に依頼する。
フラット35の本審査が終わったら、売主が設計事務所に適合証明書の発行の手続き依頼を行います。
売主が設計事務所に適合証明書の発行を依頼する為には、言った言わないを防ぐために買主と売主の間で注文書を介して、設計事務所に適合証明書の発行手続きを進めて貰うのが一般的です。
本審査が通っても注文書が無ければ、すぐに適合証明書の発行手続きが行えないので、仲介会社を経由して注文書を売主に渡す必要がありますが、それだと時間が掛かるので、事前に注文書だけ交わしておくという方法もあります。(審査がNGなら破棄)
ココに注意
早く引き渡しを受けたいという理由で、本審査承認前に適合証明書の発行手続きを進めるという方法もあります。
メリットは、本審査がおわったタイミングで適合証明書を取得できるので、すぐに金消契約・決済と順序よくスケジュールが組めます点
上記でもお伝えしましたけど、お金が戻ってこないリスクを承知の上であれば、有効的な選択肢の1つです。
2:設計事務所がフラット35に必要な図面を作る。(矩計図・他)2日~3日
設計事務所は売主から注文書を貰ったら、適合証明書に必要な書類を作成します。
販売時に利用して居る図面(建売)では、適合証明書に必要な書類を満たしていないのです。
例えば、断熱材などの品質・柱の寸法を細かく掲載した矩計図(かなばかりず)は建売屋ではまず作りません。
出典:間取職工所
適合証明書の発行審査には必要になりますので、矩計図等の不足書類を作る必要があるのです。
3:設計事務所が作成した図面を建築審査期間が審査する。7日~10日(役所の混み次第)
設計者が矩計図を作成し、適合証明書に必要な書類を役所の建築審査会に提出する必要があります。
ここに時間が掛かる(笑)
役所の人事異動など忙しい4月であれば、10日以上掛かる場合もあれば、早ければ7日ぐらいで審査が終わるケースもあります。
相手が役所なので、売主から設計経由でせかしても、早くならないのが現状です。
4:図面通りに出来ているかの現場検査(軒裏・排水設備隠れていないか等を確認)
建築審査会の設計図審査が終わったら、今度は図面通りに現場が出来ているかの審査を行います。
よっぽどのことが無い限り、現場審査は一発で通ります。
ただ職人さんも人間なので、軒裏の施行がフラット35仕様でないケースも希にあり、やり直しさせられたことがあります。(この場合は覚書で決済日を延ばす。)
5:現場で直接or郵送で送られてくる。(1日~2日)
現場検査が終わると意外かもしれませんが、その場で適合証明書が貰えたりします。
適合証明書を貰ったら、設計から売主に渡して、仲介会社に取りに来て貰うと言う流れか、現場検査の担当会社によっては、郵送で送られてくる場合もあります。
ここまで2週間~3週間掛かるので、早め早めの対応をしないと、銀行との契約が出来ません。
正直ここまでは、購入側にとってどうでも良い情報かもしれませんが、次から紹介する注意点が最も重要です。
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑フラット35を利用するためには、物件の建築技術が保証されている適合証明書が必要。適合証明書の発行費用は10万~15万(税別)が相場
☑適合証明書の発行時に要注意点は2点「安いところを見つけても売主の協力が無いと依頼できない」「本審査が落ちても払った適合証明書代は戻ってこない」の2つ
☑適合証明書の発行スケジュールには2週間~3週間掛かる。建築審査会の混み具合で多少前後する。
ARUHIのスーパーフラット(金利優遇)を利用すると、決済日から金消契約(ローン契約)までの時間が通常のフラットよりも長くなります。
そのため、適合証明書の発行に手間取ると引き渡し日に融資が出来なくなりますので要注意。
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