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フラット35の事前審査が留保でも本審査通る?事前審査がオワコンの3つの理由を元プロが解説

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フラット35・フラット35Sの事前審査を行った際に【留保】って回答がきた方が多いかと思います。

留保って回答があったから、本審査も大丈夫だよねって安心される方もいるかもしれませんが、残念ながら事前審査が留保だと本審査は落ちることも多くあります。

 

私の体験ベースですが、酷い場合は年間で留保から本審査を落ちた時は6人の方がアウトでした。

おそらく大手のパワービルダーならもっと沢山の方が、留保から本審査が非承認になった方が沢山いると思われます。

留保って何って思う方の為に、フラット35の事前審査には回答は3種類あります。

 

フラット35の3つの回答

☑承認・・よっぽどのこと(本審査時に借入れ・転職)が無い限り本審査が通る(通称○)

☑留保・・ほぼ全ての人がこれ。銀行の事前審査はOKだが本審査をして見ないと分からないって状態(通称▲)

☑不可・・銀行の事前審査でアウト!返済比率か、1日で返答があれば個信がブラックの可能性もある(通称×)

 

ちなみに、私は不動産営業5年・仲介会社経由のお客様含め250組ぐらい取引に携わりましたが、フラット35の事前審査の回答で1度も承認を見たことがありません。

頭金2割ある人でもです。

よって留保だから絶対に落ちるって事はありませんので、ご安心ください。

そもそも、フラット35の事前審査の回答というのは、住宅支援機構と銀行が仕組みを変えないとオワコンだと思っております。(3沢から2沢にする。)

※オワコン=終わっているコンテンツ

 

今回は留保でも本審査が通るのか及びフラット35の事前審査がオワコンの3つの理由を中心に解説させて頂きます。

 

フラット35の事前審査が留保でも本審査通る?

 

結論から言うと、留保を貰って本審査が通る確率は70%程度です。

 

私の実務経験ベースでも10人の内3人は本審査に落ちておりましたし、更にほかの売主業者・仲介会社・サイトなどを見ても、留保から本審査が通過する可能性は70%程度って言われているので、あながち間違っていないと思われます。

多くのフラット35の事前審査はこの2つを見ております。

フラット35の事前審査の内容

☑CIC(クレジットカード・携帯の情報が載っている)を開示し、返済漏れ・遅延が無いかを調べる。ブラックなら即非承認

☑返済比率・勤続先の会社の規模・年収部分

 

この2つが主です。2つの審査で特に問題が無ければ即留保。

 

事前審査で重要なのが、物件の担保評価等に付いては、おそらく見てません。

なぜなら、登記簿謄本や測量図・建築確認書類も無しで、販売図面だけで審査しているからです。(これなくして担保評価はあり得ないですよ。)

販売チラシだとで事前審査が出来る=融資先の物件を確認する+借入れしたい金額(申込人によるふかしを防ぐ)を確認するのが関の山でしょう。

※ふかしとは、わざと販売価格を上げて借入れ額を増やすこと。

 

住宅ローンは個人だけの審査ではありません。

貸し出しする物件の担保評価が低ければ貸し出しが出来ないからです。

この辺をチェックしていないため、留保から本審査を行っても、3割の方が担保評価等の落ちる可能性があるからです。

 

だから、留保から本審査が通るのは70%程度だと言えます。

次はフラット35の事前審査がオワコンの3つの理由を解説します。

 

フラット35の事前審査がオワコンの3つの理由。

 

ココがダメ!フラット35の事前審査がオワコンの3つの理由

☑本審査は銀行が審査する訳ではない。住宅支援機構が審査をする。(銀行が契約前に本審査を勧めているぐらい)

☑フラット35の事前審査の結果では建売業者・売主は契約しない。

☑住宅支援機構の審査は銀行と審査基準が異なりすぎて当てにならない。(特に担保評価・不動産屋の審査が厳しい気がする。)

 

この3つです。具体的に解説してきます。

 

本審査は銀行が審査するわけではなく、住宅支援機構が審査をする。(銀行が契約前に本審査を勧めているぐらい)

出典:ARUHI

 

通常の都市銀行の本審査と、フラット35の本審査の最大の違いは【本審査は銀行が審査するわけではなく、住宅支援機構が審査をする。】です。

本審査を行う機関が全くもって違うって事

 

通常の都市銀行の場合は、事前審査で銀行の保証会社が年収等・CICのチェックを行い、本審査も事前審査同様の審査に加えて、健康・反社会的勢力の審査を同じ保証会社が行うので、よっぽどのことが無い限り99%本審査がおります。

ですが、フラット35の場合は違います。

 

事前審査時はフラット35を代理で販売しているARUHI等の銀行の窓口のみの審査になりますが、本審査ではフラット35を運営している【住宅支援機構の審査】になります。

同じ場所で審査をしている訳では無いので、基準が一気に異なるわけです。

事前審査時と同じ保証会社で行っている本審査と、事前審査時と異なる審査をやる本審査、どっちが正確性があるか目に見えております。

 

実はこれ銀行員も知っておりますので、出来る方ほど事前審査を進めずに本審査をやるように勧めてきます。

例えばARUHIの本審査書類の中に「売買契約書・重要事項説明書の提出に関する念書」という物があります。

 

お申込時に売買契約書が未締結の場合は必要事項をご記入いただき、原本をご提出ください

出典:ARUHI

 

申込時に売買契約が未締結って書いてありますが、都市銀行の本審査ではあり得ません。

都市銀行の本審査は必ず契約時に記名押印を行った「重要事項説明書」と「売買契約書」の写しが必要になるからです。

 

しかし、フラット35はまだ契約前でも念書でOKって事は、逆を言えば契約前に本審査を行う人が多いって事になります。

これはARUHIだけじゃありませんよ。

 

私が一押ししている優良住宅ローンでも本審査ダウンロード画面に

弊社より特に書類提出の依頼のあった方はこちらよりダウンロードが可能です。と記載されております。

 

 

要は銀行が留保回答するのも、住宅支援機構(他社)の審査基準が銀行と異なるわけなので、99%OKって言えないわけです。

実務経験ベースでも、銀行員もなぜ落ちたのかよく分かりません・・・って言っている人も居たぐらいですから。

 

そのため、頭金2割ある人でも留保回答にしておき、本審査を行って貰うのが一般的な流れになっております。

よって、出来る銀行員・不動産営業マンは、フラット35の事前審査を一切行わずに本審査で一発承認を取ることをオススメしているわけです。

 

フラット35の事前審査の結果では建売業者・売主は契約しない。

 

仲介営業マンがフラット35の事前審査を行わず、本審査一発承認をとるにも理由は、フラット35の事前審査の内容では売主が契約してくれないという理由があるからです。

私が務めていた売主会社でも、事前審査の留保はほぼ全て断っていました。大手パワービルダーもその傾向にあります。

3割の人が本審査が落ちるフラット35の事前審査の回答だけでは、契約するのはリスクが高すぎます。

 

売主はローン解約で以下のリスクを負います。

 

ローン解約で負うリスク

☑契約していた時間が全て無駄になる=販売期間を失う。(完成物件は特に痛い)

☑売れ残っているイメージが付いてしまう(値引き交渉の対象になりやすい)

 

フラット35の事前審査の内容で契約してしまうと、少なくとも本審査の承認を得るまでの期間(2週間~1ヶ月)は販売することが出来ません。

ここで本審査が通れば一番良いのですが、本審査が落ちた場合、契約時の手間が無駄になるだけでは無く、ローン解約の念書作成+手付金の返金対応など無駄な作業が増えてしまうわけです。

 

私の体験ベースですが、酷い場合は年間で留保から本審査を落ちた時は6人の方がアウトでした。

皆さんも逆の立場になれば分かると思います。

何もやっていないのに仕事だけ増えるみたいな・・・嫌ですよね?

 

更に販売期間中にも銀行から借入れしたお金の利子を負担することを考えると、安易に契約できないのが現状です。

また、再販したってなると、完成しているのに売れなかった=悪いことがあってキャンセルしたのかな?なんて思われる人も居ます。

再販はイメージ的にもよくありませんし、完成から時間が経過しているので、値引き交渉もされやすいというデメリットもあります。

建売の値引きはタイミングが重要!値下げ時期と交渉のコツを元建売屋が解説

 

事前審査の内容で、購入申込書を書いてくれたお客様には感謝だったのですが、この2つの理由により実務では契約しませんでした。

それくらい、フラット35の事前審査の信用性は無いわけです。

 

大月

完成物件だと、早く現金化したいという売主の立場がありますので、ローン契約が曖昧なフラット35の事前審査では契約が難しいです。

ですが、青田(完成していない・更地)売りは売りづらいので、ローン審査が通れば完成前に売れてラッキーって思い契約してくれることが多いです。

 

住宅支援機構の審査は銀行と審査基準が異なりすぎて当てにならない。(特に担保評価・不動産屋の審査が厳しい気がする。)

 

2017年頃から住宅支援機構の審査が異常に厳しくなった気がします。

特に、お客様の属性が悪かった以外にも、購入する物件の担保評価が悪いって事でNGになったケースがあります。

 

都市銀行などの新築の審査では、業者の利益等も踏まえた担保評価をしてくれるので100%ローンが組みやすいのですが、フラット35の場合、道路が狭い・道路私道だったりすると担保評価が取れないと言う理由でNGになりやすいので注意が必要です。(3回ぐらいあった)

 

特に下記のような物件は、おそらく担保評価不足でアウトになる可能性が非常に高い。

私道持分無しは購入対象外?私道持分が無くても検討できる2つの事例

 

またこれは噂ベースですが、

過去に不動産屋がフラット35で、偽造だったり無理に融資額を伸ばしたなどの問題行為があると、その不動産屋から紹介されたお客様は一発アウトと言う事を聞いたことがあります。

住宅ローン審査は不動産屋も審査対象になりますので、フラット35もあり得ない話ではありません。

 

もし自己資金もある・年収もあるのに、審査がNGになったら不動産屋のせいかもしれません。

別の会社経由で再審査して見るのも1つの手です。

それくらい事前審査の銀行の簡易的な審査よりも、フラット35の本審査は厳しく、事前審査の内容が当てにならないって事です。

 

ご参考になれば幸いです。

 

まとめ

 

この記事で伝えたいこと!

☑フラット35の事前審査には3種類の回答「承認・留保・非承認」がある。

☑留保だとフラット35の本審査が通る確率は70%程度、10人に3人の人が本審査に落ちる。

☑フラット35の事前審査がオワコンの理由は「銀行そのものが一発申し込みを推薦している」「事前審査の内容じゃ売主と契約できない」「銀行と住宅支援機構の審査基準が違う」の3つ

 

事前審査の正確性を挙げるためには、現状の代理店任せではなく、○×の2沢+銀行同様の保証会社みたいに住宅支援機構が調査する方向にしないと、事前審査の正確性は上がらないと思われます。

 

ただそうは言っても、年間(2017年)で約77,000件の方がフラット35を利用しており、審査を含めると年間10万件以上の審査を住宅支援機構が行うのにはシステム開発等をしないと無理だと思いますので、2018年現在は事前審査よりも本審査一発勝負の方が確実でしょう。

非常に難しい問題です。ご参考になれば幸いです。

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