購入する土地や、建売の前面道路が4m以下だった場合、ゼットバックする可能性があります。
セットバックとは、道路中心線2m以下の土地の一部を道路中心から2mになるまで敷地後退(道路提供)を行う事。
長い時間を掛けて全世帯がセットバックを行えば、最終的には全ての道路が4m以上になるわけです。
ただこのセットバックは、道路後退しても土地の所有者は変わりません=土地を所有しているので固定資産税を支払う義務が発生します。
敷地として利用できない土地のために、なんで毎年固定資産税を払わないといけないのって普通は思いますよね?
実はこのセットバック部分は、固定資産税を非課税にする方法がちゃんとあるのですが、無知故に何もしない、間違った使い方をしてしまうと固定資産税が課税されてしまうのです。
しかも意外にも、セットバック部分の固定資産税はかなり割高。(のちに理由も解説します。)
今回はセットバックが必要な土地・物件を購入する人に向けて、固定資産税の非課税方法と注意点について元建売屋が解説させて頂きます。
Contents
セットバック部分の固定資産税を非課税にする2つの方法
セットバック部分の地目変更する。(建売の場合は売主負担にする)
セットバックする土地は、本地(敷地)とセットバック部分を分筆(登記簿上で分けること)を行う事で、道路提供する土地の面積等が明確に分かります。
セットバック前の敷地の地目は宅地(雑種地)のまま、分筆を行うと、セットバック部分の地目が宅地となり、道路提供しているはずなのに、登記簿上では宅地なので税金が課税されてしまうのです。
一方で公衆用道路(道路)は非課税になります。
1月1日に市役所等が固定資産税額を決めるのは、あくまでも現況では無く、登記簿上の地目で判断されてしまいます。
よって、宅地のままで放置しておくと、知らない間にずっと固定資産税を払い続ける羽目に・・・・
セットバック有りの建売を購入する場合は、売主業者の費用負担でセットバック部分の地目変更登記を、売主負担でやって頂くように交渉しましょう。(2万程度です。)
契約書にも記載せず、引き渡しをした後にやってくれって言われても、売主側からして見れば、契約書に記載していない以上、地目変更の責任がありません。
売り逃げされる場合も十分あります。
尚、注文住宅用の土地を購入する場合は、セットバックの地目変更は自分で行う事になります。
(セットバックは建物建築後に行う=土地の決済は終わっている)
ココに注意
セットバック部分の固定資産税は、敷地の固定資産税に比べて割高になります。
理由としては、セットバック部分はあくまでも更地なので、住宅用地の特例が利用できず、固定資産税が住宅用地の6倍になるからです。
たった2㎡弱のセットバックなのに、年間5,000円の請求が来るって分かったときは、流石に地目変更を上司に依頼してやったケースがあります。
お客様が可哀想ですからね。
→私道購入時のセットバックとは何?セットバックと私道負担の違いを解説
セットバック部分を市役所に採納する(私道は不可)
セットバックの地目変更を行う以外にも、公道の42条2項道路(4m以下の道路)であれば、セットバック部分を役所に採納することが出来ます。
セットバック部分を無償で譲渡するっていうと、なんか勿体ない気がしますが、ちゃんとメリットはあります。
ココがおすすめ
☑所有者が変わり、固定資産税が掛からなくなる。
☑道路に不具合(自然災害などでスファルト割れた)が起きても、修繕は役所がしてくれる(管理しなくてOK)
☑道路が42条2項道路から1項1号になったときに資産価値が上がる。
この3つですね。
セットバック部分を市に譲渡すれば、所有者が支払う義務がある固定資産税を初め、道路などが壊れた場合の補修も役所の管轄になります。
もし自分が所有していた場合は、地目変更では固定資産税を払わなくて済みますが、補修関係になったら原則所有者である、あなたが責任を負うことに。
よって、公道の道路の管理は、市役所に任せた方が良いケースが多いです。
最後に、購入時は道路が4m以下の42条2項道路だったとしても、近隣一帯でセットバックを行い4m以上の道路になれば、42条1項1号へと道路が成り上がる場合があります。
(採納が条件の場合もあるので。)
当然、2項道路よりも1項1号に接している物件の方が資産価値としては上です。
結果購入した不動産の価値を上げることにも繋がります。
正直、塀などを囲ってセットバックの抜け道を考えている人がいるようですが、はっきり言っても勿体ないですよ。
さっさとセットバックすべきですね。
但し、私道は採納出来ませんので、あくまでも公道のみの方法になります。
注意ポイント
セットバック部分を市に採納する場合は、セットバック部分のつなぎ融資等の抵当権を外さす必要があります。
(物件購入者が返済出来なくなったときに、道路も抵当権で取り上げられてしまうため。)
セットバック部分を市に採納すると言う話をすれば、大体は応じて頂けます。
ごく希に役所がセットバック部分の買い取りをしてくれる場合もある。
セットバックをする必要も無い建築基準法外道路に対して、将来的に基準法道路にするために、役所がセットバック部分を買いたいと言う話が出てきます。
その場合は、土地の購入価格と合せてご検討ください。
多くは路線価での買い取りを希望してくるため、下手に安い金額で売ると損します。
土地が広すぎて使えないから、売っちゃえって言う人は良いかもしれません。
要注意!セットバック部分に物を置かない!敷地利用して扱われ課税されることもある。
私道に多いのですが、セットバック部分でも自分の敷地だからと言って、植栽をおいたり、バイク・自転車を置く人がおります。
こういう人達の言い分は、「固定資産税を払っているから良いでしょう!」って思っております。(非課税にすれば良いのに・・)
車を使う人にからして見れば、めちゃくちゃ迷惑な話。
この場合は、セットバック部分を道路として利用して居ないと判断されてしまい、仮に地目変更をしたとしても、固定資産税が課税される恐れがあります。
近隣住民等が役所に通報すると、課税されると聞いたことがありますので、ご注意ください。
尚、私道の物件は私道の利用状況で、販売価格が大きく変わりますので、将来売却を考えている人は要注意。
→私道を購入で失敗する理由は?メリット・デメリットを元不動産屋が解説【まとめ】
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑セットバック部分を放置していると、固定資産税が課税されてしまう。固定資産税の非課税方法は「セットバック部分の地目変更を行う」「市に採納する(私道不可)」の2つ
☑セットバック部分は更地扱いになる。減税措置が使えず、建築予定の敷地の固定資産税の単価が6倍と割高になるので要注意。
☑セットバック部分に物を置かない!近隣住民等に通報されると、敷地利用として固定資産税が課税される。
セットバックが無しの物件を探したいって方は、ネットに頼らず自分で土地探しは可能?元不動産屋が上手な土地の探し方5選を解説をご覧ください。
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