新築を安く購入するなら、売られているで価格で購入せずに、値引き交渉を行う必要があります。
これから初めて家を購入する人にとっては、値引き交渉って聞くと、すっごく難しそう・・・って思いますよね。
値引き交渉が難しいと思う理由
☑値引き交渉っていうと不動産屋に言いくるめられそう。
☑値引き交渉の相場がいくらぐらいか分からない。
☑そもそも値引き交渉するタイミングが分からない。
主にこの3つが難しそうって思われる理由なのですが、結論から言うと、建売の値引き交渉はタイミングでほぼ全てが決まるので、タイミングと少しの交渉のコツさえ知っていれば簡単に値引き交渉を行えます。
今回は常に値引き交渉される側の元建売屋の私が、建売の値引げ交渉のタイミング及び交渉のコツについて解説させて頂きます。
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建売の値引き交渉は、あくまでも売主次第になります。
値引き交渉の難易度は大手パワービルダーの方が値引き交渉が成功する確率が高く、地元の工務店などは難しい傾向にあります。
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交渉時期を誤るな!建売が値引げされる5つのタイミング
完成直後の物件で100万値下げする会社が多い
年間4万棟を建てる大手パワービルダー(飯田グループ関連)の建売は、完成したら即売却して資金を回収したい狙いがありますので、完成直後に100万程度の値引きを行います。
1日で100棟以上完成させる会社ですから、値下げしてでも売却をしていかないと、あっという間に在庫だらけになってしまいます。
在庫だらけになってしまうと、土地の仕入れがストップしてしまい、お金を回して利益を得る建売のシステム上よくありませんので、値段を下げてでも現金化したいのが本音。
100万円値下げしたから、もう値引き交渉が出来ないのかな・・って思われるかもしれませんがそんなことはありません。
そのタイミングに合わせて、更に購入申込時に最大でも100万程度値引き交渉をすると、上手くいけば契約できる可能性が高いのです。(それ以上は無理)
但し、交渉成立後にすぐ契約できるような状態まで準備しておく必要はあります。
注意ポイント
この方法が利用できるのは、基本的に大手パワービルダーだけです。
地元の不動産屋・工務店が売主の業者だった場合は、値引きしたばかりなので無理って言われます。
完成後3ヶ月~半年以上経過した物件
完成後から3ヶ月以上建った物件は、建売業者からして見るとなんとしても売却しなければいけない優先事項の物件です。
物件を所有していても現金を回収出来ませんので、キャッシュフローが悪化します。
キャッシュフローが悪化すると、銀行への返済が滞り、次の建売用地の仕入れに関わってきますので、値引き交渉を受け付けても売却したい土地なのです。
中小企業の売主の場合は、この時期から値下げ100万~200万を開始します。(大手は完成後にすぐ)
大手の場合は、完成後に値下げをした後の反応が薄かった場合は、完成後から3ヶ月後でも再度値下げを行う事が多いのです。
(だから完成直後の値下げ交渉も受け付けて貰いやすい。)
注意ポイント
中小企業の売主の場合、値下げを行った直後の値引き交渉はかなり難しいです。(理由は借入先の銀行へ報告する売上に関連する)
この場合は、値引き交渉では無くオプション工事のサービスを依頼する事をオススメします。
決算時期は激アツ!完成前でも値段が下がることもある。
決算は激アツ!ですね。(主に上場企業にのみ)
唯一完成前の物件でも値引き交渉が受け付けやすい時期です。
大手パワービルダー(飯田グループ)の決算は毎年3月に行われます。
決算時期に安くしてでも売りたい理由は、売り上げは株価に影響するので、実績を作っておきたいのでしょう。
ただし、決算時期の値引き交渉ができる物件は、3月末に引き渡しが可能な場合が条件になります。
よって引き渡しを3月末までにできない人はNG。
ただ、決算時期は200万円以上の値引き交渉が成功する確率が一番高い時期なので、建売を購入するのであれば3月に入居するイメージで購入するのも非常なお得な買い方です。
残り1棟の建売分譲地はめちゃくちゃお買い得。(利益確定させるため値下げする)
残り1棟の建売分譲地は売れ残りでしょ・・・って思ってませんか?
それちょっと勿体ないですよ。
残り1棟の建売は、ほかの売れてしまっている物件よりも大幅な値引き交渉が可能な場合が多いのです。
なぜなら売主は建売用地を購入するお金を銀行から借り入れしてる手前、早い返済期間であればあるほど、銀行の評価も高くなる上、金利の負担も少なくなります。
銀行の評価が高くなれば、次に借入れする際の条件が良くなるので、多少値引きをしてでも早く売りたいのが本音な訳です。
分譲地単位でお金を借りているのであれば、残り1棟さえ売却出来れば、その借入れ(プロジェクト)は終了なので、銀行に評価を高めるために、現場ごとの利益確定(大幅値下げ)を行うのです
よって残り1棟の物件に、特に売れない大きな理由が無ければ、ほかの物件よりも値引き交渉を行いやすい上、安く購入できるので非常にお買い得な物件なのです。
個人的にはオススメ。
注意ポイント
大手は現場事の利益確定を行うので、値引き交渉が非常に行いやすいです。
中小企業の売主の場合は、建売棟数が少なく、1棟辺りの利益率を気にする傾向なので、残り1棟でも値引き交渉が難しい場合もあります。
完成から1年経過した物件!500万円以上の値引きも可能。
多くの建売は値引げをしまくって、完成から1年以内に売却をしてしまいますが、ごく希に値下げを行ったにもかかわらず、完成から1年以上売れない物件があります。
完成から1年建った物件は、新築扱いでは無く未入居の中古扱いになってしまいます。
完成から1年経過した物件をそのまま放置デメリットは以下の通りです。
ココがダメ
☑不動産取得税が課税される
☑固定資産税を支払う必要がある
☑用地取得の際の銀行の利息を払い続けることになる。
未入居の中古をずっと所有している訳にも行かないので、損切りをして売却するために500万円以上の値下げ・値引きを行って処分しようとします。
・中古物件の築浅物件を狙っている人
・建売をとにかく安く購入したい人
上記の2つの条件の人は、1年売れ残った建売を買うのは危ない?購入のリスクとずっと新築の理由もご覧ください。
未完成物件の場合は値引き交渉を受け付けてくれないところが殆ど
今ご紹介した値下げのタイミングは全て建物が完成した場合のみです。
もし、条件に合う建売を見つけて、未完成物件を購入する場合は、値引き交渉を受け付けて貰える物なのでしょうか?
結論から言うとNO!です。未完成物件の場合は値引き交渉は難しいです。
(絶対ではないです、超運が良くても50万程度)
建売業者の立場になって貰えれば分かると思いますが、未完成物件の場合は完成までの数ヶ月の間に問合せが増える可能性もある上、既に値引きしてくれるなら購入したいと言う人が、未完時に現れているって事は、完成すれば他の人も高く買ってくれる可能性のある物件って事でもあります。
まだ現金回収までの時間がある物件を値引きしてまで焦って売る必要は無いのです。
どうしても値引きしてまで購入したいっていうのであれば、完成までほかのお客様が付かないように祈るしかありません。
それで、ほかの購入されてしまえば「ご縁が無かった物件」って思うしかないでしょう。
建売の値下げ交渉の4つのコツ
希望値下げ金額よりも大きい金額で値引き交渉を行う事。
一般的に言われる値引き交渉のコツは2つです。
☑数字を相手から出させる(後出しジャンケンをする)
☑値引き希望価格よりも大きい金額で提示する
交渉事は相手に条件を出させてから、自分の条件をいうのが基本です。
少なくとも後出しジャンケンをすれば交渉事が有利に運びます。
しかし、建売の値引き交渉は、購入申込書で行う=買主が先に金額を提示する必要があるので、後出しジャンケンは基本的に使えません。
そのため、買主が出来る方法としては、値引き希望額よりも大きい額を提示して交渉を進める方法しかありません。
仮に100万値引きして欲しいって思っている購入者がいるとします。
バカ正直に100万値引きしてくれって購入申込書に記入したらどうなるでしょうか?
売主が「良いですよ100万値引きします!」っていうことはまずありません。
売主だって買い上げ交渉(値上げ)を行いますから、いいえ30万までですよ・・・って回答される可能性もあるわけです。
最終的には50万ぐらいでまとまるのでしょうかね。この場合は
100万円値引き交渉をして欲しかったら、180万円ぐらいから値引き交渉を始める必要があります。
売主も180万の値引きは無理ってなるので、100万円って回答になるかもしれませんし、130万だったら良いですよっていう奇跡的な回答が来るかもしれません。
希望金額よりも大きい数字からの値引き交渉が基本です。
但し、いきなり300万円などの法外な値引き交渉とかになると、購入する気がない冷やかしだと思われますので、買い付けがシカトされる可能性もあります。
値引き交渉の相場は最大で180万程度です。
金額のつり上げは程々に。
値引き交渉したけど、やっぱりキャンセルしたいって方は住宅購入の申し込みキャンセルはペナルティある?元プロが購入申込書の効力を解説も合せてどうぞ。
注意ポイント
煩わしい交渉が面倒くさい場合は、100万の値引きをしてくれなければ買わないっという条件達成の有無で値引き交渉を行う方法もあります。
ただ売主に無理っていわれたら、購入が出来なくなってしまうので、使いどころを間違えてはいけませんね。
金額でダメな会社の場合は、オプション工事を依頼する。
未完成物件や完成直後だと、中小企業の売主だと値引き交渉は一切応じない会社もあったりします。(私がいた会社がそう)
売主の中でも安売りする会社って思われるのが嫌なパターンなので、値引き額が極度に低かったり、値引き交渉を一切応じないのです。
(銀行の評価も関係してくるので)
その場合は、販売価格は値下げせずに、カップボード・網戸など引っ越し時にお金が掛かる工事をサービスにする方法があります。
売主からして見れば、満額で売れた実績を残すことが出来るので、銀行からの評価にも影響してきます。
(値下げしないと売れない物件=事業計画の見通しの甘さ=返済が遅れるになるから)
未完成物件時の場合は、値段に固執せずに、オプション工事で対応するようにした方が結果的に良かったりします。
カップボードを売主に付けて貰うメリットは新築のカップボードはハウスメーカーに頼むべき?メリット・デメリットを解説をご覧ください。
月初には購入しない。(数字に焦りがないので)
ちょっとしたテクニックですが、不動産屋が契約の数字で焦るのは月初では無く月末です。
数字が付かない悪い月には、値引きを行ってでも契約をして数字を作りたいのが営業マンの本音です。(私もそうでした。)
逆に月初の場合は、不動産営業マンは売主の関係を悪化させる値引きをしてまで売ろうとはしませんから、値引き交渉をして貰って買いたいのであれば、営業マンが本気になる月末を狙って購入するのをお勧めします。
但し、月末までに契約しないとダメですよ。
ローンは既に通しておく。(確実に購入できる証拠提示)
値引き交渉は口頭・電話だけでは出来ません。
購入申込書を持って値引き交渉を行うのですが、住宅ローンが通っていない段階で購入申込書を書いたとしても、いつでもキャンセルが出来てしまう為、売り止めにもならず、交渉もちゃんと応じてくれない会社もあったりします。
実際、住宅ローンが通らなかったって逃げられる可能性もありますし、すぐに契約が出来ない人に対して、値引き交渉を行う必要は無いって思う。
売主・担当営業マンが一番恐れているのは、値引き交渉を一生懸命やったのに、キャンセルして逃げられることです。
私の場合はローンが通ってから値引き交渉をおこなっておりました。
それまでは逆に受け付けません。(私の場合は仲介じゃないので余計です)
すぐに契約できないのに、値引き交渉を行ったとしても、キャンセルされると担当営業マンのメンツが立ちません。
私はそれが嫌だったので。
売主に大幅な値引き交渉を行って欲しいのであれば、買主側も値引き交渉後にすぐに購入が出来るような姿勢を見せておくのも、値引き額を上げるコツと言えます。
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑建売が値下げするタイミングは5つ「完成直後」「完成から3ヶ月~半年」「決算時期」「残り1棟の分譲地になった時」「完成から1年経過した時」
☑未完成物件の場合は、値引き交渉に応じて貰えない会社が殆ど。値引き交渉が無理だった場合は、オプション工事のサービスなら通る可能性がある。
☑大きな値引き交渉を行う場合は、希望値引き額よりも大きめの数字の値引きから始めること!値引き交渉を通りやすくするには住宅ローンの事前審査も済ませるのがベスト。
最終的には売主によりますが、何もしない交渉より、上記の4つのコツを抑えた値引き交渉が遙かに成功しやすいです。
なんだって値引きされる側の体験記事ですから・・・
値引き交渉が成功すれば次は契約です。
契約前に「重要事項説明書とは?新築契約前のチェックポイントを元宅建士が解説」を読んでおくことオススメします。
参考になれば幸いです。
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