20代の方が住宅を購入する際に、年収が低いので借入額が伸びないという問題があります。
マイナビの調査によると20代の年収は300万円台ですね。
出典:マイナビ
350万円で都市銀行やネット銀行で借り入れをしようとすると、大体2,000万円~2,100万円ぐらいまでしか借入額が伸びないという問題があります。(※審査金利4%・返済比率30%で計算)
たった2,000万円前後しか借り入れできないの?賃貸では10万以上払っているのに!
SUUMOなどの物件を見ると3,000万円の物件が多く・東京なら4,000万円以上が当たり前ですから、そう思うのも無理はありません。
ですが、単独名義では注文住宅で家を建てることはできないだけでなく、建売すら購入できない方が多く、多くの人がペアローンを利用して借り入れしているのが現実だと思います。
では、20代の方はペアローンを利用して、住宅ローンを組むべきなのか?
結論としては、ペアローンはデメリットが多すぎるので、フラット35で借り入れをしてほしいと思います。
なぜ?フラット35を利用するのか?
答えは簡単で、審査基準が都市銀行・ネット銀行よりも審査基準が甘いからです。
今回はフラット35でフルローンを組むメリットについて解説させていただきます。
Contents
フラット35には9割借入と10割固定の2種類ある。
フラット35って聞くと全期間固定金利というイメージがありますが、実は、フラット35の借り入れパターンには2種類あります。
10割固定のメリットは2つ。
フラット35の10割固定のココがおすすめ
☑フルローンを組める上、頭金を一切用意せずに済む。(諸経費とは別)
☑10割固定なので、変動リスクを一切負わずに済む。
全期間固定金利だけではなく、フルローンで組める上、銀行のように保証料が一切ない(事務手数料はあるが)のがメリット。
ですが、9割借入に比べて金利が0.4%以上高くなるというのが最大のデメリットなので、ほとんどの方は10割固定を利用しません。
私もお勧めしません。
9割固定のメリットは2つ
フラット35の9割固定のココがおすすめ
☑金利が10割より金利が0.4%以上安い
☑残りの1割を変動で3%で組んでも、10割固定に比べて月々の支払いが安い。
2018年11月のARUHIの金利(10割固定は1.89%に対して、9割固定は1.45%)で借り入れで0.44%も、金利が9割固定のほうが金利が安く借り入れすることができます。
9割固定だと残りの1割を用意できない人は、フルローンをで借り入れできないのかというとそんなことはありません。
フラット35最大手のARUHIでは、残りの1割分をフラットαという変動金利(3.195%)で借り入れできる商品と合わせて、フルローンを組むことができます。
変動金利が3%以上!?
一見聞くと、高すぎる金利なので、10割固定のほうが総額が安いって思うかもしれません。
ですが、ここは金利だけで判断してはいけません。
仮に3,000万円で10割固定と9割固定+1割変動の月々の支払額の比較をしてみます。
3,000万円の借入の10割固定は、月々97,693円。
3,000万円の9割固定(2,700万円)の借り入れの月々の支払いは82,010円。残りの1割(300万円)を3.195%で11,874円。合計すると約9.4万円。
実質3,600円ほど9割固定のほうが安くなります。
フラット35を利用する多くの人は、9割固定+1割変動をしたほうがいいです。(審査金利の面でも大活躍します。)
年収が低い20代ほどフラット35はフルローンで組んだほうが得する3つの理由
審査金利が低い。頭金を使わなくてもフルローンが組みやすい。
年収が低い20代ほどフラット35を利用すべき理由は、審査金利が低い=年収が低くても借り入れができるってことにあります。
大手都市銀行・地銀の多くは、変動金利で金利上昇しても支払えるような方を審査するために、審査金利を3%~4%で計算し、返済比率に収まるような方にしか貸出をしておりません。
よって、都市銀行で借り入れができる人っていうのは、今の変動金利は1%以下ですが、3%~4%まで金利が上昇しても払える方って事でもあります。
ただし、4%などの審査金利で計算されてしまうと、借入額が伸びず、年収の低い20代ではなかなか希望価格まで借入額が伸びないのが現状です。(350万の年収だと2,100万ぐらいまで)
しかし、フラット35は固定金利です。
将来金利上昇リスクはありません=審査する月の金利が審査金利になります。
都市銀行などの4%付近で審査されるよりも、1.45%~1.89%で審査されたほうが、明らかに借入額が増えます。
(350万の年収だと、都市銀行では2,100万程度だが、9割のフラット35であれば2880万まで増える。)
同じ条件で700万円も借入額が伸び上、条件もそこまで悪くなるわけではありませんから、年収の低い20代がフラット35を利用しないのはもったいない。
年収が低い世代に限って、借入額が伸びない=頭金を使おうっとする人がいますが、ローン借入時に頭金を使ってローン残高を減らす行為はデメリットが多すぎます。
フラット35を利用してフルローンを組んだほうが良いです。(ARUHIなら優遇金利があるので1割は用意したほうがいいかもですが。)
→いつまでマイホーム購入に頭金が必要って言ってるの?頭金なしのメリット5選
団体信用生命保険がフル活用ができる。(ローン残債が多いため)
団体信用生命保険はローン残債が多ければ多いほど、生命保険の額が大きくなります。
3,000万円の家を、1,000万の頭金を使って2,000万円のローンを組むのと、1,000万円の頭金を残して、3,000万円のローンを組んだ場合で比較すると、1,000万円多い生命保険に加入したみたいなものです。
1,000万円多い生命保険に加入するってことは、それだけ金利負担が発生(月1.2万程度)しますが、その分、既存の保険の節約によって、金利負担分を減らせばいい。
一番重要なのは、万が一ローン借入者が無くなった時に、頭金の1,000万円が手元に残っているのがデカい。
住宅購入に頭金を使いすぎると、働き手が万が一亡くなってしまった時でも手元にお金が無いって不安ですよね?
頭金!頭金入れないとって親の世代なら特に不安になるかもしれませんが、住宅購入において重要なのは、手元にいくらお金を残せるかとローンの条件のバランスです。
頭金使いすぎて、保険の効果も少ない+現金が手元にないじゃダメなんです。
尚、4,000万円までローンの残債を増やすと得になる住宅ローン控除ですが、年収の低い20代ではその恩恵をフル活用できません。
年収の低い20代だと、年収400万円で所得税+住民税で約26万しか払っておりません。
仮に4000万円のローンを組んでも1%=40万円が還付されず、26万までしか戻ってこないのです。
逆に年収の高い30代後半の人は、年間40万円以上税金を納めているわけですから、ローン残債が多いほど、住宅ローン控除の恩恵も受けられるってことになります。
年収が足りないからといってペアローン・収入合算をしなくても、フラット35なら単独でフルローンが組める。
この記事で一番伝えたかったのがここ。
ペアローンを組まなくても単独名義で借り入れができる可能性が高くなるからです。
ペアローンは簡単に借入額を増やせるというメリットがありますが、その代償として6つのデメリットを負う必要。
参照:ペアローンを組んで後悔者続出している6つのデメリットと注意点を解説します。
仮に年収400万円の人が3,000万円の物件を購入しようとします。
通常の都市銀行の審査(審査金利4%)では、2,630万円までしか借り入れできないので、残りの370万円を借り入れするためには、奥さんなどに連帯保証人になるか、370万円分のローンを組む(連帯債務)のどちらかを選択しなければなりません。
こうなると、離婚、ローンの一本化などでリスクを負う羽目になります。
一方のフラット35で借入した場合(審査金利1.45%)だと、なんと3,840万円まで借り入れが可能なのです!
これなら、3,000万円のローンは単独名義で組めますので、ペアローンのデメリットを受けずに借り入れすることが可能です。
次は、フラット35のフルローンを組む際の注意点です。
フラット35のフルローンを組む際の2つの注意点
10割固定のフラット35は利用しない(借入額可能額が減る。)
年収が低い20代の方は、フラット35の10割固定を利用すると、希望借入額まで届かない可能性があります。
多くの不動産営業マンが、10割固定を進めないのには訳がありまして、審査金利が9割固定よりも10割固定のほうが厳しいため、借入額が減ってしまうという点があります。
ARUHIの場合、9割固定で残りの1割を3%以上の変動金利を借りる場合でも、フルローンの審査時は9割固定の1.45%で見てくれます。10割固定だと1.89%
この差は結構歴然で、年収400万円の9割だと3,840万まで借り入れができますが、10割固定だと3,580万と、260万円も借り入れができなくなってしまうのです。
総支払額も高い+借入額が減ってしまう10割固定よりも、1割の変動金利が高くても、9割のパターンで借り入れしたほうがお得になりますので注意。
年収の8倍以上ローンは安易に組まない。(借入可能額と返済可能額は違う。)
フラット35を利用すれば、年収が低い20代でもサクッと年収の8倍から10倍付近まで簡単に借入することができます。
が!
ローンの借入可能だからといって、返済が可能かというとそれもまた違ってきます。
住宅ローンは年収の10倍が借入目安?返済可能額と違うたった1つの理由をFPが解説でもご紹介してますが、住宅ローンの審査はあくまでも税抜き前の年収での審査です。
ここを勘違いするとローン破産しますよ。
実際にローンを支払いする際は税抜き後の手取り金額になるので、手取り額に対して返済比率が40%を超えてしまうと、生活がかなり厳しくなります。
せいぜい年収の8倍。
年収が右肩上がりで、ペアローンを借りないと購入できないって人は、MAX年収の8.5倍までかなって感じます。(信用金庫などでは返済比率に収まっても減額になるのでNG)
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑フラット35には10割固定と9割固定の2種類ある。年収の低い20代がフルローンを組むなら、月々の支払いが安く、審査金利の低い9割+1割の変動商品のフラット35を利用すべき。
☑年収が低い20代がフラット35でフルローンを組む3つのメリットは、「頭金を使わずに済む」「団体信用生命保険がフル活用できる」「ペアローン」を組まずに済む。
☑フラット35は借入額が伸びやすいが、年収の8倍以上のローンの組むのは危ない。年収が右肩上がり+ペアローンを組まないと買えない条件なら、多少無理してでも年収の8.5倍がMAX借入額に抑えるべき。
フラット35でめちゃくちゃお得に借りたいのであれば、住宅ローンの返済方法に実は2種類!?【元利均等返済】と【元金均等返済】を元プロがわかりやすく解説。もご覧ください。
固定金利と元金均等返済は相性抜群です。
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