「一生賃貸」とグーグルで検索すると、一生賃貸はデメリットでしか無い・・・という記事が多いのですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
確かに、家賃8万で35年借りると3,360万円を使う事になる為、それだったら家を購入し自分の資産にした方が良いだろうと思うのが普通の感覚です。
実際、多くの人は一生賃貸よりも「持家」の方が、将来の住居費・老後資金調達のリバースモーゲージで得をするのは間違いありません。
とはいえ
今あなたが40代で住宅ローンがギリギリ35年組めるかどうかの瀬戸際だった場合、持家が絶対に良いのか?という前提が変わってきます。
冷静になって考えて欲しいのですが、40歳で住宅ローンを組んだら75歳完済です。
厳しくないですか?
私は40代でこれから紹介する条件に当てはまった場合、持家よりも一生賃貸の方が良い場合もあると言うことです。
今回は一生賃貸のメリットと合わせて、40代のあなたが持家を選択する際にやってはいけない事を踏まえて解説させて頂きます。
家がこれから余る時代といわれている中で、無理して家を買わなくても・・・という考えも広まりつつあります。
もしあなたが30代で結婚しているのであれば、基本的に購入した方が間違いなくお得ですが、40代だった場合は【一生賃貸】も考えておかなければならないでしょう。
Contents
一生賃貸の悪くない!むしろメリット4選もある
いつでも引っ越しが出来る。近所付き合いがない
一生賃貸のメリットは、やっぱり持家ではないので引っ越しがいつでも用意に出来るって事です。
戸建てやマンションなどのかなり高いリスクとして【近隣住民トラブル】が挙げられますが、近隣住民に常識の無い人が1人でもいた場合、あなたの生活が確実に脅かされます。
例えば、
実際経験した例で犬の鳴き声が煩いのにもかかわらず、注意しに行ったら逆ギレして役所に電話し始める訳の分からない人がいたり、
家の前に車を駐車し始め、【私道だから関係内でしょ】と開き直る近隣住民。
→私道の違法駐車されたら泣き寝入り?私道が塞がれた時の2つの対処法
最悪じゃ無いですか・・・
実際私の彼女の元彼の家が近隣住民と裁判沙汰になり・・・・
住宅ローンを抱えているのに家をたたき売りしてしまったという悲惨な事にある日突然巻き込まれることだってあるわけです。
賃貸の場合は
よし!ヤバイ奴がいる不動産屋に連絡して、引っ越ししようって次の日から行動が出来るんですよね。
持家購入時に正直、近隣住民の感じは分かっても本性は全くもって分かりません。
ある意味で何千万円も使う賭けなんですよね。
そういう危険な賭けをしなくても良いのが賃貸の良いところでしょう。
震災などのリスクが0。最悪海外に逃げることも出来る
震災が起きて家を失うリスクもあります。
例えば東日本大震災が起きた際、東日本大震災が起きた3.11に新築戸建ての残金決済を終え、さあこれからの生活だ!って時にあの地震。
火災保険や地震保険にも加入はしておりますが、地震保険ではマックスで建物価格の半分までしかお金が貰えません。
1,500万円の建物が一瞬にして奪われ、そしてまた立て直しのために数千万を使うという悲劇が実際にありました。
更に時間にもポイントがあって、火災保険は何もしなければ決済日当日の16時から保険責任開始となります。
東日本大震災が起きたのは14:46分・・・
もうお分かりの通り、保険屋に聞いたところ人によっては火災保険が下りなかったようです。
こんなリスクを実は持家は抱えております。
→火災保険の責任開始日は何時から?保険金が貰えないたった1つの悲惨な事例
賃貸であれば【命をだいじに】さえしていれば、金銭的な損失は家財ぐらいで済みます。
そして安全な場所にすぐに避難が出来る為、近隣住民とのリスクに加えて、すぐに引っ越しができるのもメリットの1つです。
固定資産税などの税金や修繕費・管理費も払わなくて済む
一生賃貸は家を借りている以上、家賃を払い続けなければなりませんが、家を所有する際に発生する【固定資産税】の税金を払わずに済みます。
一戸建ての建売購入時の固定資産税は大体いくら?目安と固定資産税清算金を解説でも解説していますが、40坪の2階建ての地方の家であれば大体年間12万~15万円程度。
更にマンションなどの大規模修繕である日突然、
「大規模修繕で管理費修繕積立金が足りないので30万お支払い下さい!無ければ売却して下さい」
と言われずに済みます。
第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
出典:Wikipedia
住宅ローンという借金を抱えずに済む上、収入に合わせて引っ越し出来る。
住宅ローン地獄という言葉があるように、持家を持つと35年間の間住宅ローンの支払いに生活がかなり制限されます。
うぁ・・・マジ外れの近隣住民だわ・・・よし!家を売却して引っ越そうって言っても、住宅ローンより高く売れなければ抵当権を外せずに売却すら出来ない訳です。
そして住宅ローンが支払えず家を失う人の多くは、この不景気で収入が著しく下がり、当初計画していた支払計画を到底払えない状況になってしまっただと言えます。
更に今後は変動金利が上がった場合、あなたの収入が落ちなくても支払いが増えて、上記同様に計画通りに35年間払えなくなるかも知れません。
よく賃貸VS購入という考えで、賃貸は一生同じ賃料という前提で計算をするのですが、あれは正しいようで少し違います。
給料が下がった場合、賃貸の場合はもっと安いところに住めば良い話なので、私なりの解釈で【住宅ローンに縛られない為の維持金】
これが一生賃貸のコストだと言えます。
病気になっても、賃貸の場合は実家に戻るなどして、住居費のコストを落とすことが出来ますが、住宅ローンはそうはいきません。
団体信用生命保険以外に加入していない住宅ローンの借入者は容赦なく、毎月決められた額を取られてしまいます。
40代という、どっかしらにガタが来る世代ではありますので、健康リスクを考えてもある意味で住宅ローンを組まない【一生賃貸】という選択肢も有りだと言えます。
→【変動注意】住宅ローン地獄にならない住宅購入術3選を元プロが解説【実例有】
40代で一生賃貸住宅の方が良いパターン
私は「家を買うべき!最高」とか綺麗事を言うつもりはありません。
やっぱり一生賃貸も検討しておくべき何ですよ。
以下の4つの内どれか当てはまったら、一生賃貸の方の方が良いかも知れません。
未婚で今後結婚する予定が無い!家が邪魔になるパターン
【結婚は人生の墓場だ!】
良くあるフレーズですよね。
私も数年前までそう本気で思っていました。
今あなたが40代で結婚をしていないのであれば、家を購入するメリットは殆どありません。
結婚しないのに、マンションとか戸建てを持つと老後に施設とか入った際に売却したり、住んでもいないのに固定費が掛かってしまい返って動けなくなります。
更に売ろうと思っても、住宅ローンの残高より高く売れなければ売ることは一切出来ませんし、新築の場合は買った瞬間に2割ほど売り値が下がります。
それであれば、賃貸に暮らして老後で賃貸が借りられなくなった場合は、素直に老人施設に入るなどすればよいかと思います。
よく【老後になったら賃貸が借りられなくなる】とか言っておりますが、最近では高齢者向きアパート経営法という本も出るくらい不動産投資に高齢者を取り入れていくトレンドもありますから、そういう所に引っ越しをしておくべきでしょう。
収入が安定していない人であり貯金が生活費の半年分無い人
収入が安定しない人はそもそも住宅ローンが通らない可能性があります。
仮にあなたが45歳を過ぎていた場合、35年ローンが組めなくなります。
一見、期間が短くてラッキー♪って思うかも知れませんが、それは大きな間違い。
審査金利が異常に厳しくなる為、同じ年収でも借入れ額が数百万円変わるって事もザラです。
また貯金の半年分が無い人は、転職や病気をしてしまった際に半年分の生活費も無い場合、あっという間にローンが払えなくなり、借金だけ残るという羽目になります。
一生賃貸が嫌だからという感情論だけで、安易に家を買うのは良くありません。
健康リスクは住宅ローンには、お金持ちでも平等にあるものです。
親の土地を相続できる人:相続が怪しい場合
戸建てや賃貸住宅等を含む全ての家の空き家が平成25年では820万といたのがついに、1000万件を越える空き家があると言うことが野村総研の調査結果で明らかになっております。
2018年6月に出されている野村総研「2030年の住宅市場と課題」によれば、空き家数はすでに1,000万軒を超えているという。
この調査結果では、2033年には1,955万戸、空き家率は27.3%、4軒に1軒が空き家になると予測されている。
これだけ空き家が増えているのです。
そこのオーナーも老後であってもしかるべき対応(孤独死保険+見守りサービスを付ける)をして貰えれば、貸してくれるようになります。
また、あなたが1人子の場合、親の持つ財産を100%受け取ることが出来ますから、家を取得することが可能です。
下手に家を買ってしまい、売れない場所だった場合・・・
処分費+住宅ローンの負担が予想されますので、相続で得られる不動産の場所を把握し、住める場所であれば賃貸住宅から相続した家に引っ越すのもありでしょう。
退職金が出ない人
住宅ローンで、老後に払えなくなり破産する人の多くは「退職金を当てにしている」というものがあります。
このご時世退職金を払ってくれる会社は本当に少なくなりました。
私が務めていた不動産屋でも1円も貰っておりません。
それくらい退職金というのは珍しい物なのです。
20年後あなたの務めている会社は必ず退職金をくれますか?
しかも1,000万円以上を越える金額を貰えるでしょうか?
そして、あなたが60歳以降いくらのローンが残っているでしょうか?
これを確定できない40代の人は、無理に家を買うと難しいかも知れません。
最後に、一生賃貸が嫌だからという理由で絶対に手を出してはいけない案件を紹介します。
40代で価格勝負の下手な中古マンションを買うなら一生賃貸の方が良いです。
私は中古マンションを下手に購入するのは反対です。
少なくとも40代で、せっかく持家を持ち住宅ローンを完済しているにもかかわらず、古くなればなるほど高くなる管理費・駐車場代・修繕費を払うほど勿体ないことはありません。
築年数30年を越えるマンションの平均管理費・駐車場代・修繕費を合わせると3万円ぐらいします。
ローン完済しているのに3万ですよ。
これでは地方の賃貸住宅に住んでいるのとあまり変わりません。
へたな中古マンションで数千万円のローン+管理費・駐車場代・修繕費を払うのであれば、一生賃貸にしてその差額を貯金にしたり、中古の一戸建てを購入した方が絶対に良いです。
勘違いして欲しくないんですが、中古マンションという考えは悪くはありません。
しかし、築年数や立地もすごく悪く、安さだけを売りにしている中古マンションを買うなって意味です。
まとめ:一生賃貸で手に入らない感情的価値とは
一生賃貸で生きる。
これは今後ますます当たり前になってくるでしょうし、人によっては一生賃貸の方がメリットがあるのは間違いありません。
結婚しないなら、極論家は要らないし、立地の良い中古マンションか、戸建てを買えば良いでしょう。
しかし、あなたが家庭を持っているのであれば、本当に金銭的な面だけで一生賃貸と決めつけても良いのでしょうか?という話です。
私は家を買う=オワコン※(終わったコンテンツ)と言われている現状がおかしいと思っています。
家を買うことで金銭的面の不安は抱えるかも知れませんが、感情的価値である、家族の為・子供が喜ぶ・自分だけの城が持てる・親のため・世間的なステータスなどが家を買うことで手に入ります。
これらが一生賃貸では手に入らないものであり、家族の為に仕事を頑張ろうというモチベーションにも繋がるわけです。
そして家庭を持っている人は、大体家を購入した方が金銭的にも得をします。
とはいえ、お金の心配や、収入が右肩下がりで住宅ローンが払えずに家を手放すほど辛いものはありません。
これからの時代は優先順位を多く満たせた値段が安く、売却がしやすい建売がオススメですという事を伝えて以上とさせて頂きます。
建売の安さが気になるって方は建売はなぜ安い?安い4つの理由と3つのポイントを元建売業者が解説をご覧ください。
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