新築物件や土地分譲で協定道路の物件が多いですが、知恵袋などを見ると、購入しない方が良いという決めつけた回答ばかり目立ちますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
もし検討している物件が協定道路だったとしても、立地・値段がベストだった場合は、協定道路を理由に諦めたくはないですよね?
きっと諦めたくないから、「協定道路 メリット デメリット」と調べてこのページを見てくれているはず。
特に東京都心部で探している人は、値段以前にそのエリアで物件を逃したら、次いつ出てくるか本当に分かりません。
立地重視の方は協定道路だからといってすぐに諦めてしまっては、物件が見つからないって事になります。
今回は元不動産営業マンである私が、協定道路のメリット・デメリットについてご紹介させていただきます。
Contents
協定道路の5つのメリット
値段が安い。立地重視の人には有効的な選択肢の1つ
協定道路のメリット1つであるのは、なんと言っても土地が安いって事。
それもそのはずで、建売や土地分譲で販売される協定道路とは、間口2m(ギリギリ再建築ができる)の旗竿地に協定を結んだものに過ぎないため、通常の旗竿地よりも価値は低くなります。
(通常の旗竿地の間口が2.5mなので)
販売価格は、整形地の物件に比べて土地も広くなる上、200万~300万円は安く設定されます。
変動金利でも300万円安くなれば、月々8000円ぐらいの返済額が減るため、条件の立地の相場には手が届かないっていう人も、協定道路の物件であれば予算に届くって事も十分にあり得るわけです。
ただし、元々は間口が狭い旗竿地であるため、デメリットでもお伝えしますが、売るに売れない物件という扱いになりますので要注意。
土地の間口も広く取れるので、旗竿地よりも遙かに日当たりが良い。
協定道路の素晴らしいところは、旗竿地のデメリットである日当たりが悪くなるというデメリットをかき消したところにあります。(最大のメリット)
旗竿地の物件は、周りの建物に囲まれていることから、通路部分の間口である2.5m程度の隙間しか空間しかなく、日当たりが悪いです。注文住宅であれば吹き抜けを作るべきかと・・・
しかし協定道路は、建物と協定部分の間口が建物一杯分に取れる上、協定部分が最低でも4mの空間がありますから、通常の4m道路に接道している整形地の物件同様に日当たりが良いのです。
家の価格が安いのに、日当たりが良い物件を探したいのであれば、借地権か協定道路の物件を上手く検討することで、価格も抑えながら日当たりも良い物件を見つけることができます。
旗竿地よりも通路が広く、車庫入れがやりやすく、自転車の通行もしやすい。
幅2.5mの通路に車を入れるのと、協定地4mの通路から自宅の車庫に入れるのであれば、前者の幅2.5mに車庫入れする方が難しいです。
(さらに人が通れるように、一方に寄せないといけないので結構難しい。)
更に旗竿地2.5mのところに車を止めたとしても、今度は後ろから自転車を通す為に一苦労します。(車の幅は1.82m+自転車は60㎝)
下手すると自転車のサドルと車をぶつけてしまい、車に傷ができるかもしれません。
しかし協定道路は協定地には車をおけないですが、協定道路には通行の妨げになる物もないので、自転車の通行に関しては問題なく行う事ができます。
同じ旗竿地でも、通行面のストレスがないのが協定道路なわけです。
私道よりも権利が多く、私道よりもトラブルになる確率が少ない。
協定道路=私道だと思って居る人が多いですが、残念ながらこれは見当違いです。
協定道路とは私道?それとも位置指定道路?それぞれの違い元不動産屋が解説で解説しておりますが、協定道路はあくまでも通行・売却時に関する事だけに協定を定めます。
具体的な内容はコチラ
協定の主な内容
☑協定書に物を置く・駐停車してはいけない旨(通行のみに使用する旨)
☑道路復旧に関する負担区分
☑第三者に継承する旨。
出典:戸建て購入の教科書
私道で道路を掘ると言うことは、私道所有者から掘削承諾書を取得しなければ、ライフラインの整備もできません。
仮に掘削の承諾書に押印するとしても、代わりに金銭を要求されることもあります。
しかし協定道路の場合は、旗竿地の2mのそれぞれの通路内に埋設管が独立して入っており、その道路はあくまでも所有している旗竿地の1つとして扱われるため、掘削の許可などは必要ありません。(ここが大きな違い。)
ただ、掘削の許可がいらないとはいえ、通路を掘る際に、別の協定者の通行の妨げにはなりますから、工事を行う旨を話しておくのがベストでしょう。(お互い様って奴です。)
協定地は所有地でもあるため、建ぺい率や容積率にも含まれる。(大きな建物が建てやすい)
私道は所有している土地であっても、建築する私有地としてではなく、道路として扱われるので、道路分にたいして建ぺい率や容積率を算出することがさせる事はできません。
しかし協定道路の場合は、あくまでも協定地は条例の内容にもよりますが、特例で通路部分を私有地として建ぺい率や容積率に算出する事ができます。(協定地に建築できるわけではない)
これだけではわかりにくいので、1つ例に出してみます。
建ぺい率60%・容積率200%に定められている場所に、100㎡の土地が有り、一方は私道20㎡を所有し、もう一方は20㎡の協定地を所有している物とします。
私道20㎡を所有している100㎡の土地は、私道は道路として扱われるので、建ぺい率や容積率の算出は100㎡を基準として、建築面積60㎡・容積率200㎡までの土地と見なされます。
協定道路20㎡を所有している100㎡の土地は、旗竿地として扱われますから、建ぺい率や容積率の算出は120㎡を基準として、建築面積72㎡・容積率240㎡までの土地として見なすことができるのです。
つまりは私道よりも協定道路の土地の方が大きい建物が建てられるって事です。
注意ポイント
私が営業していた埼玉県では、道路延長10m以上の通路の場合、間口2mの協定道路では建ぺい率や容積率を算出する敷地面積に加えることができません。
間口が2.5m以上必要になります。
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協定道路の4つのデメリット
私道にはない固定資産税・都市計画税がかかる。
私道はコチラの記事でも紹介している条件:私道は固定資産税が課税される?固定資産税を非課税にする3つの条件に該当する物件の場合は固定資産税・都市計画税がかかりません。
しかし、協定道路の場合は、協定地はあくまでも所有地としているため、毎年の固定資産税・都市計画税が請求されます。
非課税申請も所有地として扱われるのでできないのです。
位置指定道路でも固定資産税・都市計画税は一切かかりません。
土地の評価が低く、旗竿地同様に売却は難しい。
協定道路は、所詮は旗竿地の上、更に協定を結んでいる事で利用に制限がかかっている土地です。
購入時の土地価格よりもかなり低くなっている事でしょう。(業者の利益・販売手数料が乗っかって居たため)
しかも安ければ売れると言う物でもなく、別の協定者が、売る予定の買主と協定を結ぶのをためらう可能性も0ではありません。
協定書には、第三者に継承する旨を書いてあるのが一般的なので、売却しても協定書の効力が続きますが、協定書は法律で定められている訳ではないので、破ろうと思えば破られてしまいます。
この手の場合は、購入者が今後のトラブル回避の為に、物件購入を見合わせますので、旗竿地よりも売るに売れないって状況になります。
協定地に車を止められて通行の妨げになっても、警察には訴えられない。
ここは私道トラブル同様に、協定道路も私有地の為、仮に協定地に車を駐車されても、警察による駐車禁止の切符を切ることはできません。
いくら協定書に通行の妨げ・物を置いてはいけない旨を記載しても、協定書は法律で定められた文章ではないので、警察による解決ではなく、民事訴訟をして対処しなければなりません。
ただ、協定書にサインをしている以上、物を置いてはいけない、車の駐車をしてはいけない旨を承認している証拠にはなりますから、民事訴訟で有利には進められるでしょう。
民事訴訟以外に警察で取り締まる方法はコチラ
建て替え時に協定者に通行の許可を得る必要がある。(得られなければ立て替えが難しい。)
コレが協定道路の最大のデメリットなんじゃないかって思う。
建て替えする際に、建て替え地の横に車を付けて、材料や材木などを運ばなければならないのですが、そのためには協定道路を第三者である職人・トラックの通行の許可を相手の協定者から許可を得なければいけません。
なぜなら、協定書はあくまでも土地所有者の通行の利便性を高めるために、お互いの土地を通行する協定であって、土地の所有者でもない第三者通る為の物ではないから。
立て替えはお互い様って事で、承諾をしてくれやすいとは思いますが、協定者の中では第三者を通すのはNGと言う方も居ないことはありません。
(私道トラブルがあるわけですから・・・)
対策としては、不動産屋が作成する協定道路の中に、立て替え時の旨を入れておくというのが1つの手段であります。
ただ、協定道路は法律で定められた物ではないので、その場合も上記同様に民事訴訟で立て替えの許可をもらうという流れになります。
以上で協定道路のメリット・デメリットとさせていただきます。いかがだったでしょうか?
個人的には、私道=協定道路は危ないという認識が勿体ないなと思って書かせていただきました。
最後に私道みたいに既得権益がーーーっていうことはないので、私道の物件よりは協定道路の新築がお勧めですよと言って終わりにしたいと思います。
私道のメリット・デメリットもオススメです。
→私道を購入で失敗する理由は?メリット・デメリットを元不動産屋が解説【まとめ】
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