住宅を購入する種類によっては、不動産を所有すると発生する税金「不動産取得税」を請求されます。
物件によっては夢のマイホームを取得するためにも、数万~数十万の税金が発生するので、人によってはマイホームなんてコスパ最悪って思うかもしれませんよね。
なんなら一生賃貸で良いって思うかも。
でも安心してください。
不動産取得税は新築に対して減税措置があるし、購入する物件が建売住宅なら1円も不動産取得税に払わずに済みます。
てか税金だらけだったら家なんて持っている人は殆ど居ないし、逆に家を買うことで税金が免税されるので、東京で家を買うならどこ?今買うと2022年に失敗する唯一の23区とはみたいに買う物件さえ間違えなければ、資産的に得することが多いんです。
だから住宅購入は戦略さえ間違えなければ、コスパが高い買い物ですよ。
今回は新築建売なら不動産取得税がかからないのかを中心に元不動産屋の私が解説させていただきます。
Contents
新築建売は不動産取得税を1円も払わなくて良い理由
結論から言うと建売業者であれば、よっぽど土地が500㎡もあるにもかかわらず、建物が70㎡しか無いような狭小住宅というアンバランスな分譲地が無ければ1円も払う必要は無いです。
不動産取得税の計算方法は下記の通りになります。
不動産取得税の計算方法
土地:土地の固定資産税評価額✕1/2(宅地減税)✕3% (住宅用地以外は4%)
建物:建物の固定資産税評価額✕3%
仮に1000万円の固定資産税評価額の宅地を購入した場合は、宅地減税で500万円になりその3%の15万が不動産取得税になります。
めっちゃ高い!建売が1円も払わなくて良いっていうのは嘘じゃん・・・
まだ焦らないでください!
住宅購入にはお得意の減税措置があるので、減税措置を使うと1円も払わなくて良いっていう結論になるので安心してください。
固定資産税評価額を簡単に言うと、売買価格の70%と思って貰えれば単純明快でわかりやすいかと。
それだけじゃよく分からんっていう人は、建売購入時の固定資産税は大体いくら?目安と固定資産税清算金を解説をご覧頂くこと、固定資産税評価額と建売住宅の固定資産税の目安が分かるのでご覧頂くことをオススメします。
建売住宅の建物の減税措置を踏まえて計算
建売業者の建物の不動産取得税を計算する上で重要になるのが、新築時の1200万円の減税措置が重要になります。
(50㎡~240㎡の物件のみ適用。)
建売住宅の建物の固定資産税評価額は900万円ぐらいが相場ですから、900万円として計算してみると・・・・
900万(建物の固定資産税評価額)-1200万(建物の減税措置)✕3%=-9万=0円
建物の評価が1200万も満たない物件は、建物の不動産取得税を1円も払わずに済みます。
どんなにグレードの良い家でも所詮は建売。
固定資産税評価額が900万程度になりますから、結果1円も払う必要が無いんですねーーー
次は土地を計算しますが、土地の減税措置を計算する上で建物面積が非常に重要になってきますので、建物面積が少ないと減税措置が上手く発揮されず取得税が発生する可能性も0とは言えないんですね。
まあ基本0円だけど。
建売の土地の減税措置を踏まえて計算
土地の不動産取得税には2種類あり、計算後に減税措置が高い方を利用するという形です。
不動産取得税の土地の減税措置
☑A=45,000円の減税措置
☑B=(土地1㎡当たりの固定資産税評価額✕1/2)✕(建物面積✕2(200㎡まで))✕3%
土地価格がタダ同然の物件で無い限りはBを使います。
仮に2,000万円の100㎡の土地に対して、100㎡の2階建てを購入したとします。
2,000万円というのは実情価格なので、固定資産税評価額に換算すると70%の1,400万円です。
減税措置を使わなければ、1400万✕1/2✕3%=21万の税金がかかりますが、減税措置のBを利用して計算すると・・・・
B=(1,400/100㎡✕1/2)✕(100㎡✕2)✕3%=42万の減税措置
21万-42万(減税措置)=0円と計算できてしまいます。
この計算を逆算すると、建物価格が50㎡以下の戸建てで土地の不動産取得税が発生することが分かります。
しかし現実、建物面積が50㎡以下の新築建売住宅ではありません
(フラット35も使えないので)から、建売住宅では不動産取得税が1円もかからないと言われるのです。
新築だからといって不動産取得税を払わなくて良いって訳ではない
よし、新築の住宅購入なら不動産取得税とは一切無縁なんだな。
良かったって思っているなら要注意。
ここで勘違いしてはいけないことは、新築物件には全て不動産取得税が掛からないと安易に思ってしまう事。
結論から言うと不動産取得税が掛からない新築は建売だけです。
注文住宅・新築マンションには不動産取得税がかかる物だと思った方が良いでしょう。
新築の減税措置の優遇がすごいのに、新築マンション・注文住宅は何処で不動産取得税が取られると思いますか?
正解は、建物で取られます。
マンションの場合は下手すると(建物面積が狭いから)土地でも取られるかも。
注文住宅・新築マンションっていうのは建物の評価額がグレードが高い分、異常評価額が高いんです。
1200万の減税措置を越えてしまう評価であれば当然不動産取得税が課税されます。
注文住宅の建物って、積水とかで建てたら一発で契約価格が2,000万円を超えます。
坪100万の大和houseなんかで建てたら、あっという間に評価額でも2000万円超え。
仮に2000万の建物と評価された場合は、800万✕3%=24万の課税です。
マンションだって、購入する価格の内訳は殆ど建物代。=建物の評価額が高いです。
結果、不動産取得税が掛かります
注文住宅・新築マンションを購入する人は、不動産取得税の諸経費を10万~20万円程度見ておいた方が良いでしょう。
建売の場合は0円でOK。そうやって見ると建売はコスパの良い買い物と言えるでしょう。
→注文住宅で後悔する人急増?建売にすればよかったって思う4パターン
新築建売なのに不動産取得税が請求された場合どうしたら良いの?払う前に直接確認を!
建売住宅を購入したにもかかわらず、希に県税事務所から請求が来る場合もあるようです。
この場合は、請求書の内容を直接県税事務所に確認してください。
物件情報を正確に伝えれば県税事務所の方で減税措置を踏まえた回答をしてくれます。
私のお客様からも既契約者から1度不動産取得税について問い合わせがありました。
購入していた土地の評価額なども知っていましたから、不動産取得税に1円も掛かるはずが無いと確信していた私が県税事務所に問い合わせして見たところ・・・・
県税事務所の方では、購入した建売が減税措置に該当するか分からないので、とりあえず請求しているとの事・・・・
結果そのお客様は1円も払わずに済みましたが、間違って払ってしまっていたらどうするのでしょうか?
確認したところ、払ったときの領収書を出せば返金してくれるそうですが、領収書を無くしてしまった場合は返金不可だそうです。
酷い話なのですが、彼らも税金を回収するのが仕事なので仕方ない部分もありますが、知らないところでお金を取られてしまう酷い例であることには間違えないでしょう。
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑新築建売の不動産取得税は1円も払わなくてOK。建物には1200万の減税措置・土地には建物の広さに連動する減税措置があるので、50㎡以下の建売だと不動産取得税を払う必要があるが、現在の市場で50㎡以下の新築建売はない
☑新築マンション・注文住宅は建売と違い建物評価額が高いので、不動産取得税を納める必要がある。別途10万~20万は見ておくべき。
☑建売購入でも希に不動産取得税を請求されるときがある。県税事務所も建物面積などが分からず、とりあえず請求するスタンスなので、払う前に県税事務所に問い合わせするの吉。
不動産取得税は不動産投資だけの税金というイメージがあるかもしれませんが、注文住宅・新築マンションでも発生する税金なので注意が必要。
こう思うと建売住宅は総額が安いだけで無く、税金も掛からないというコスパ重視の物件と言えるでしょう。
特に家に対して拘りがないのであれば、立地重視の建売がオススメですね。
建売が恥ずかしくて、予算無いけど注文を建てたいって人は下記の記事がオススメです。
→建売って恥ずかしい?予算が無い人が注文住宅を買う為の3つの戦略