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住宅ローンノウハウ・資金計画(税金)

変動金利は無謀か?住宅ローンで後悔する3つの借入パターンを解説

更新日:

住宅ローンを選ぶ上で「変動金利」と「固定金利」があります。

ネット銀行を中心に変動金利がどんどん安くなってきているので、ついに変動金利が固定金利で借り入れしている数を、上回る結果となりました。

 

住宅ローン(総合2面きょうのことば)を変動型金利で借りる人が急速に増えている。2017年度下期に借り入れをした人の56.5%を占め、前年同期に比べて9ポイント増え、過去最高になった。

出典:日経新聞

 

確かに変動金利の安さは異常でして、私が不動産業界で住宅ローンを始めた時は、金利が0.9%~1%の変動金利で組めればよかった時代だったのが、マイナス金利の影響もあり、たった5年で0.4%台まで下がています。

まさしく2019年現在では住宅ローンの金利の底値に来ております。

 

そんな中、「今は底値だから、一気に変動金利が上がる」って思う方も少なくなく、無謀だ!・危険と言っている方もおります。

 

果たして、変動金利を組むことは危険なのでしょうか?

変動金利が無謀なのか?を中心に組んで後悔する住宅ローンの3つのパターンをご紹介させていただきます。

 

住宅ローンの変動金利は無謀か?3つのリスクヘッジ

 

住宅ローンで変動金利で借り入れするのは2018年現在において無謀なことなのでしょうか?

結論から言うと、無謀なことではありません。

むしろ変動金利で借りるべきだと思っております。

 

理由は3つあります。

ココがおすすめ

☑固定金利と比べて月々の返済額が安く、その差額を繰り上げ返済すればリスク回避ができる。

☑変動金利の差額が怖ければ、【上限金利特約】を利用すればいい

☑そもそも変動金利が1%以上上がることが考えにくい

 

1つずつ解説していきます。

 

固定金利と比べて月々の返済額が安く、その差額を繰り上げ返済すればリスク回避ができる。

 

金利上昇が怖ければ、利息分に関係する元金を減らせば、たとえ金利が上がったとしても利息は減ります。

100万の年8%で借りれば利息は年間8万ですが、年1%でも借入額が1000万あれば、年10万と金利が1/8でも借入金が多い方が利息負担は大きいです。

 

仮に35年の3,000万円のローンを組んだとして考えます。

変動金利が0.6%・全期間固定1.8%(三井住友銀行2018.11)で比較。

変動金利の場合は月々79,208円と約8万円に対して、変動金利は96,327円と約9.6万円です。

その差額は1.6万で年間にすると約19万円です。

 

すると10年後には190万円分の差額ができるので繰り上げ返済のチャンスです。

 

190万円を繰り上げ返済すると、利息軽減が292,676円と約30万円分が利息軽減されます。

仮に金利が10年後に0.5%上昇したとしても、繰り上げ返済をしておけば月々の利息が18,417円(0.6%時は約11,000)と0.5%も上昇したのに、利息が7,500円のアップだけで済みます。

※121回目の残債20,092,052円として計算

 

もし、繰り上げ返済を行わなかったとすると、月々の利息が約20,100円と約9,000円も増えてしまうのです。

繰り上げ返済をしても1,500円しか変わらないじゃんって思ったら大間違い、

 

残りの25年間を含めての計算になりますから、金利上昇に対して45万円分もリスクを繰り上げ返済によって回避したことになるのです。

変動金利の金利の安さを生かして、繰り上げ返済で元金を減らしておけば、元金に連動する金利が上がっても、極端に利息が増えることがないのです。

 

変動金利の差額が怖ければ、【上限金利特約】を利用すればいい

 

繰り上げ返済をすればリスクヘッジはできるっていっても、それでも変動金利が怖いって方もいるでしょう。

ただ変動金利の安さはあきらめられないな・・・って方には一部の銀行で取り扱いをしている【上限金利特約】を利用する方法があります。

 

上限金利特約とは、本質は変動金利と変わらないものの、最初から上がっても上限が決まっている特約です。

 

変動金利より高い金利で設定されているのがネックですが、金利が高騰しても、上限があるので最悪を想定した資金計画ができるってことがメリット。

この特約を使えば、巷のニュースで金利が3%に!って煽りまくっている記事を無視して変動金利を組むことができます。

上限が無い変動金利が怖くて組めない方必見!【上限金利特約】の住宅ローンを解説

 

そもそも変動金利が1%以上上がることが考えにくい

 

これは私見ですが、変動金利が上がることは確実ですが、1%以上も金利が上がるってことはまずないと考えております。

変動金利・固定金利の金利を考える上で、物価の上昇率を判断する必要があります。

物価上昇率を消費者物価指数で確認することができます。

 

政府は2020年度までに物消費者物価指数を2%上げるという方針で動いている為、よく世間のニュースでは変動金利が2%上がるって騒ぎまくっていますがこれは完全な間違いです。

歴史は繰り返されるじゃないですが、実はリーマンショックが起きる平成18年の時に一度物価指数が2.1%上昇したことがあります。

 

バブル崩壊後の1993年(平成5年)ごろまでに遡ります。2008(平成20)年ごろが、ちょうど物価上昇率2.1%という水準です。

その期間の変動金利は0.5%(2.375%→2.875%)しか上昇しておりません。

出典:住宅ローンの教科書(加藤孝一著)

 

物価が2%上昇しても、変動金利は0.5%しか上昇しておりません。

物価上昇率=変動金利でみるのは暴論なわけです。

それなのに、ニュースでは変動金利ヤバいって煽ってきます。

 

これは銀行が固定金利で借り入れしてほしいから。

今後、変動金利は間違えなく上がります。

しかし、ニュースで言っている2%~3%上がって破産者爆増っていうわけではなく、0.5%程度の上昇だと私は見ております。

 

変動金利で借り入れすること事体は無謀ではなく、むしろコスパが良い選択だといえます。

 

この本でその辺の勉強していない不動産営業マンよりも住宅ローンが詳しくなれます。

 

良くある勘違い:頭金なしの住宅ローンは決して無謀ではありません

 

良くある勘違いとして、頭金なしで住宅ローンを組む人は無謀すぎるっていう意見がありますが、私はこれに異を唱えたいと思います。

頭金無しの住宅ローンにはメリットが5個もあるんですよ。

ココがおすすめ

☑住宅ローン控除が最大限利用できる。

☑団体信用生命保険が最大利用できる。

☑住宅ローンに利用しない頭金を資産運用に使える。

☑頭金があれば頭金を出すのではなく、10年後繰り上げ返済をしたら安いし、ローンが短くなる。

☑新築貧乏になりにくい

 

頭金を中途半端に払ってしまうと、新築貧乏になるし、頭金の使うタイミングを間違えると総支払額も高くなります。

頭金を住宅ローンに使って、借入額を減らしたい気持ちもわかりますが、借金=悪という考えを一度捨てて、全体的なメリットをお考え下さい。

 

頭金なしのメリットについては、いつまでマイホーム購入に頭金が必要って言ってるの?頭金なしのメリット5選で詳しく解説してます。

 

注意ポイント

頭金なし=諸経費も払わないとは違います。

諸経費ローンは銀行にとってリスクが高いので、銀行によっては金利優遇が少なくなり、全体的に損します。

諸経費は100万円でもいいので用意しておきましょう。

建売の初期費用はいくら?諸経費を100万円以下にする条件を元プロが解説

 

次は、変動金利よりもヤバすぎる上、後悔率が高い住宅ローンをご紹介します。

 

新築購入後に後悔する3つの住宅ローン

年収の8倍以上~10倍の借り入れのする住宅ローン

 

いくら変動金利が安いからと言って、住宅ローンで借りる金額は年収の8倍以上のローンは危険です。

確かに現在の変動金利は、0.4%代とめちゃくちゃ安いので、年収400万円の人が3,400万円の35年ローンを組んだとしても、わずか9万円で済みます。

都内に住んでいる人なら、家賃が10万円しますから、9万円だったら安くて手を出してしまいそうですよね。

 

でもこれは間違いです。

先ほども言いましたが、政府は2020年までに物価上昇率を2%上げる=変動金利が上がるってことです。

 

上記の条件で借り入れをし、途中で金利が0.5%上がったとしましょう。

そうすると一気に10万円です。

たった1万円って思うかもしれませんが、年収400万円の人の月々の手取りは25万~28万程度で、月10万円払ったら返済比率が40%を超えるので、ローン破綻コースにかなり近づきます。

変動金利が安いからと言って、年収の8倍を借りてはいけません。

 

変動金利は上がるものとして、ローンを組むべきです。

住宅ローンは年収の10倍が借入目安?返済可能額と違うたった1つの理由をFPが解説

 

変動と固定のミックスローン

 

1つのローンを変動金利・固定金利に分けて2つのローンとして借り入れするミックスローンですが、はっきり言ってミックスローンだけは絶対にやめましょう。

今でも借りる人がいるらしい。

理由は簡単でして、変動金利の良さと固定金利の良さが中途半端になってしまい、一番損するから。(主な理由)

 

ほかにも繰り上げ返済の恩恵が少ない、諸経費が高くなるなどが挙げられます。

もし、変動金利が怖いって方は、【上限金利特約】の変動金利を借りることで、普段は変動の安い金利を使える上、金利が上がっても全期間固定より少しだけ高い金利で払えばいいだけです。

ミックスローンに比べて上限金利特約の変動金利の方が柔軟性はあります。

参照:変動と固定のミックスローンは失敗?デメリット3選とオススメの組み合わせを紹介

 

多く支払っているのに元金が変動よりも減らない全期間固定ローン(フラットは除く)

 

結論から言うと、固定金利は元金の減りが遅いので、利息がなかなか減りません。銀行はこれを狙ってます。

多くの人が、住宅ローン月々の支払額は把握しようとするのですが、その内訳を全く持って理解していない人がほとんど・・・

固定金利以外ありえないって言っている人は本当に利息の内訳を計算してます?

 

固定金利は変動金利に比べて月々の支払額が多いのは、金利による利息で、元金は同じぐらい減っているのかと思いきや大違い。

全期間固定金利が利息が減らない計算

仮に35年の3,000万円のローンを組んだとして考えます。

変動金利が0.6%・全期間固定1.8%(三井住友銀行2018.11)で比較してみます。

変動金利の場合は月々79,208円と約8万円に対して、変動金利は96,327円と約9.6万円です。

変動金利の利息は3,000万×年0.6%÷12カ月=15,000円が利息で、79,208円から引くと約6.5万円が元金の返済額になります。

一方で固定金利の場合は上記の計算同様にすると、月45,000円が利息で96,208円から引くとなんと約5.1万円しか元金が減らない。

月々の支払額が1.6万円も固定金利よりも高いのに、元金は変動金利よりも1.4万円も減っていないことになります。

合計すると毎月3万円損してます。(笑)

恐らく変動は馬鹿とかdisっている人は、内訳を計算していないと思います。

 

だから、全期間固定ローンはおすすめできないです。

あと、ローンを組むタイミングによっては、固定金利だと損はします。

私の話になりますが、ちょうど5年前に購入してくださったお客様がオリンピックを不安に、当時では最安値の全期間固定2.1%で組まれましたが、予想とは裏腹にマイナス金利導入でどんどん金利が下がっていっております。

 

今の変動金利は0.5%台 その差額1.7%です。

その方も失敗したって思っているかもしれません。

金利上昇リスクだけで考えられがちですが、逆に金利が下落したときのメリットの恩恵が受けられないのが全期間固定金利。

 

変動金利だからっていって無謀ではありません。

住宅ローンを思考停止で全期間固定を選ぶと損?固定金利の5つのデメリットと仕組みを解説

 

まとめ

 

この記事で伝えたいこと!

☑変動金利で住宅ローンを組むことは無謀ではない理由は、「繰り上げ返済によるリスク回避」「上限金利特約で組む」「金利が1%以上あがるとは考えにくい」の3つ

☑住宅ローンで後悔するパターンは3つ「年収8倍以上のローン」「ミックスローン」「全期間固定を選ぶこと」の3つ

変動金利の金利について知りたい方は変動金利は固定金利より変動していない?仕組みとカラクリを元プロが解説します。をご覧ください。

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