初めて注文住宅の土地を探す上で、どんな土地を購入すればいいのかなって迷っている方が多いと思います。
土地探しに妥協は必要?注文住宅購入者50人に聞いて分かった妥協点ベスト3位という記事でもお伝えした通り、100点満点という基準は常に変わり、住みたい家の条件や予算によって良い土地というのが決まってきますから、一定の条件を満たした土地であれば購入して正解です。
こういう回答をすると、結論もない回答をしやがってって思うかもしれません。
しかし、土地購入はご縁タイミングである以上、この回答以外正解はありません。
しかし、逆に買ってはいけない土地というのは、購入の予算などの条件を無視して、すべての購入者に当てはまります。
土地購入で失敗したなって思わない為には、まず失敗点から学ぶのが定石です。
少なくても失敗を知っていれば同じ失敗を侵さずに済みます。
たいていこの手の物件を買ってしまう人は、目先の値段にとらわれて後からかかる費用を知らずに購入してしまった人達です。
今回ご紹介する土地の内容は、日当たりがちょっと悪いな・・・
失敗!っていう何とかなるレベルの失敗点ではありません。
購入した瞬間!誰しもが失敗したと確定するような買ってはいけない土地の特徴を、元用地買取営業の私の経験を担保にご紹介させていただきます。
Contents
注文住宅の土地探しで絶対に買ってはいけない5つの土地
再建築不可物件(間口2m以下の物件or道路が建築基準法じゃない物件)
これは皆さんご存知の方もいるはず。
土地に何でもかんでも家を建てられるわけではなく、ある一定条件を満たした不動産でなければ新たに建物を建てることができません。
つまり注文住宅は不可になります。
☑道路と土地の接している間口が2m未満。
☑土地の前面道路が建築基準法に該当しない通路
この2つになります。
道路と土地の接している間口が2m未満になりやすい物件は、旗竿地の物件ですね。
仮に1㎝でも、少なかった場合でも再建築することができません。
もしその物件に古屋が乗っかっていれば、その古屋を使う形になります。
古屋が無くなれば再建築できませんから物置・月極駐車場としか使い道はありません。
もう一つの前面道路が建築基準法に該当しないっていう場合は、かなり厄介です。
一見普通のアスファルト道路に見えても、建築基準法で定めていないただの通路の物件もあったりします。
不動産屋などが一切調査せずに購入し、建築を行う段階で道路が建築基準法じゃないっていう理由で、家が建てられないのです。
この場合は但し書きの43条が使えるかの有無になりますが、時間がかかる為、瑕疵担保責任として違約として解約するしかありません。
私道の持分無し・掘削承諾が一切ない物件。(裁判沙汰になる場合もある)
立地条件の良い私道に面した土地は、安く購入できるので建物お金をかけたい人にとっては有効的な選択肢の1つです。
ただし、それは私道所有者による掘削承諾書(ガス・ライフライン時に道路を掘る許可)とほかの私道所有者と対等になるための持分を取得していることが絶対条件です。
私道を購入で失敗する理由は?メリット・デメリットを元不動産屋が解説【まとめ】でお伝えしているメリットは、すべて私道の持分を持っていることを前提としていることです。
安く購入ができるからと欲をかいて、私道の持分を持っていない土地を購入すると、私道の違法駐車されたら泣き寝入り?私道が塞がれた時の2つの対処法のようなトラブルが起きた場合は持分を持っていないことで不利になり、裁判沙汰になってしまいます。
また私道持分はおろか、掘削承諾書が取れない物件は住宅ローンが使えませんから要注意です。
ちょっとした欲で、家を建てて住んだ後に近隣トラブル三昧の生活は嫌ですよね。
考えただけでも憂鬱な気分に・・
私道の持分がない物件を不動産屋でもほとんど購入しません。
一般の方が購入するのは超危険。
ただ立地も気に入り、価格も安い、どうしても私道の持分が無くても欲しい土地だっていう場合は、私道持分無しは購入対象外?私道持分が無くても検討できる2つの事例を参考にしてみて下さい。
昭和50年前築(築40年以上)建物の解体が必要な物件。(資金計画が崩壊する可能性あり)
昭和50年築前で気を付けなければいけないのがアスベスト(石綿)の存在です。
皆さんも聞いたことはある言葉ですよね?
アスベストは昭和50年以前の屋根などに多く吹き付けられて下り、アスベストを加熱させると化学物質が空気中に舞うため、除去には専門的な技術が必要になり、結果解体費が高くなります。
昭和50年まで吹付アスベストは使用され、その後アスベスト含有吹付けロックウールが昭和55年ごろまで使用されていました。(一部の工法(湿式)については昭和63年ごろまで使用されていました。)
具体的に言うと、アスベストは解体する費用の倍は見ておかなければなりません。
解体費が100万であれば200万程度は見ておく必要があります。
資金計画がカツカツで、つなぎ融資でも下りなかった場合は、最悪は親などからお金を借りないといけない事態にまで発展します。
こんなはずじゃなかった・・・っていても後の祭り。
それだけ現況渡しの物件は難しいんですね。
私道の持分無しよりかはマシですが、ハウスメーカーの営業マンで、土地に関して不慣れな方はこの手の事を知りません。
ベストなのは売主に依頼して、解体業者に事前に見積をもらってから購入するのが良いでしょう。
→注文住宅の土地探しをハウスメーカーに依頼するデメリットを元不動産屋が解説
高低差が2m以上で擁壁が必要な物件(資金計画が確実に崩壊します。)
物件の場所も悪くない、高台で日当たりも良い!なのに安い。
もしかして最強物件を見つけたのでは!?って思っている方もいるかもしれません。
酷い場合はハウスメーカーの営業マンに頼むより自分で探したほうが速いじゃんって思う人。
しかし、現実はそう甘くありません。
その物件。おそらく購入すると資金計画が崩壊し大失敗します。
絶対に買ってはいけないのは高さ2m以上の高低差がある、擁壁工事必要な物件です。
高低差のある物件は、家を建てたときの重みなどで土砂崩れが起きないように土留めする必要があります。
その際に必要なのが擁壁です。
出典:https://fr-home.co.jp/usefulread/step2/hard1-12
画像を見ていただくと、より金のかかりそうな工事だと理解できるのではないのでしょうか?
基本的にはL型で擁壁工事を行いますが、その費用がなんと最低でも300万以上・ひどい場合は1,000万円必要になります。
更に擁壁工事が終わったら終わりではありません。
今度は家を建てる際の地盤改良も擁壁の「かかと」を意識して打たなければならないので、地盤改良も割高になります。
実際、私も業務の体験ベースでお話しすると、土地30坪の2階建ての擁壁+地盤改良だけで700万もかかったことがあります。
700万ですよ!
※もちろん土地が広ければ、擁壁の面積も広がるので余計高くなります。
いきなり700万UPです。
っていわれたら注文住宅どころではありませんよね。
最悪家を建てる予算が無くなってしまいますよ。
もし擁壁の土地を購入する場合は、相場の3割~4割で購入しないと、造成後(擁壁組んだ後)の坪単価が相場と合いませんから、相場の60%程度で買えるなんてすごく安いじゃんって思って手を出してはいけませんよ。
特に値段だけで土地を探している人は、要注意。
ココに注意
建築確認が下りている擁壁は、建築時に擁壁を再利用を検討できるかもしれません。
しかし、擁壁も時間が経てば老朽化しますから、修繕費などを計算して購入しないと、結局資金計画が崩壊し、こんなはずじゃなかったってなります。
建売屋以外、手を出さないほうが無難!
化学工場・火葬場・鉄塔が近い物件。臭いのせいで引っ越す可能性が大
嫌悪施設呼ばれる一般的に近くにあると嫌なものがある土地は値段が安くなります。
例えば、隣が墓だったり・変電所が近いなどの物件を指します。
しかしこの2つの嫌悪施設は、デメリットもあればメリットもあったりするので一概に避けるべき物件ではありません。
しかし、必ず避けないといけない嫌悪施設というものが存在し、それが化学工場・火葬場など臭いに関する嫌悪施設です。
化学工場では薬などのにおい・火葬場などでは火葬する際の臭いが相当なストレスに感じます。
しかも対策法がありません。消臭力だって無理ですよ。
逆に音だけに関してうるさい嫌悪施設であれば、二重サッシなどの対策で軽減できるため、まだ何とかなります。
また個人的に絶対避けたほうがいいのは鉄塔・高圧線下の土地です。
強すぎる電磁波のせいで、白血病になり18人も亡くなってしまった大阪の裁判があります。
(今はネット上で消されている)
極稀に、鉄塔・高圧線の隣にある売地が販売されていたりしますが、この手の物件を購入すると、裁判をしても勝てない可能性があるので、いくら安くても購入してはいけません。
(電力会社と契約して購入しているため。)
NSKねっとさんの高圧線下地の記事がとても分かりやすいです。
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑購入してはいけない土地5選は「再建築不可物件」「私道の持分無し・掘削承諾無し」「築40年以上のアスベストが吹き付けられている古屋付き土地」「高低差2m以上の擁壁を組まないといけない物件」「火葬場・化学工場・鉄塔などの嫌悪施設の近く」
☑擁壁の物件は造成費が高い以外は条件が良いので、値段の安いと感じて失敗する人が多い。経験上相場の3割~4割程度で購入しないと、資金計画が崩壊する。
今ご紹介した5つの土地以外は、後は妥協ができるかどうかになります。
土地探しに妥協は必要?注文住宅購入者50人に聞いて分かった妥協点ベスト3位を参考に妥協点できるポイントを整理してみてはいかがでしょうか?
妥協点が1個でも見つかるだけで、一気に検討ができる物件が増えるのでお勧めですよ。
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