注文住宅を購入すると、建築前に土地の神様に建築の安全をお祈りする地鎮祭を行うのが当たり前ですが、建売住宅を購入仕様と思って居る人は地鎮祭を行っているか心配なはず。
地鎮祭をやるやらないは、いつ購入者が付くかの違いが大きく関わります。
建売と注文住宅の購入者の違い
☑注文住宅は建築前にハウスメーカーと契約するので、完成前に購入者が付いている状態です。だから地鎮祭がやりやすい。
☑建売住宅の場合は建物完成時にお客様が付くのは珍しく、完成してから購入者が現れるので、購入者は地鎮祭を行った建売なのかを売主に聞かなければ分からない
建売住宅をこれから購入しようと思っているけど、地鎮祭をやっているのか不安だなって思って居る人。
ものすごく建売購入に不安にならないでも大丈夫。
地鎮祭を仮にやっていなくても、地鎮祭に変わる対処法と、地鎮祭よりも最も大切なことを元建売屋が本音を交えてお伝え致します。
Contents
建売住宅で地鎮祭はやるべき?
原則、建売では地鎮祭も上棟式も行いません。
結論から言いますが、建売業者の殆どが地鎮祭はおろか、建前の上棟式すら行いません。
え!?って注文住宅では当たり前に行う地鎮祭も行わない建売は、手抜きって思うかもしれませんが、建売業者が地鎮祭を行わない理由を聞いて欲しい。
建売業者が地鎮祭を行わない理由は、総額の安さ(企業努力)の部分になるんですが、地鎮祭を行う為には氏神様を祭る神社(神主)を呼ばなければなりません。
まずそこで神主を呼ぶ費用が発生します。費用はまだ良いです。
それ以上に地鎮祭を行うことで建築がストップするのがマズイ。
建売の建築工程は1日1日しっかりスケジューリングされております。
年間1000棟~4万棟も立てるわけですから、毎日完成物件を作らないと間に合わない領域。
飯田グループの場合は年間4万棟ですから1日で100棟以上完成させなければ到底間に合わないのです。
1日に100棟も完成させるんですよ!
これだけで約8割の建売業者の年間建築棟数を上回る計算です。(地場の工務店はせいぜい年間20棟程度)
しかも、土地を購入したときの金利も掛かるので早く完成させて売りさばきたいんです。
土地を持っている時間が長ければ長いほどお金が掛かります。
1日潰して地鎮祭なんてやっていられないのが建売業者の本音。
建売はやっぱり手抜きじゃ無いか!ふざけんなって思うかもしれない。
しかし残念ながらこれが建売住宅の現実なんです。
理解できない人は注文住宅を買うか、これから紹介する業者から買いましょう。
→建売はなぜ安い?安い4つの理由と3つのポイントを元建売業者が解説
地方の地場の建売業者なら、昔ながらの風習に加えて販売戦略的に地鎮祭を行う会社もある。
ただし、どこの建売業者も地鎮祭をやらないのかと言うのそんなことはありません。
地方の地場業者の工務店など年間20棟ぐらいの業者であれば、大手パワービルダーに比べて建築スケジュールにゆとりがあるので建築前に地鎮祭をやる傾向にあります。
そもそも地鎮祭とはお客様の住まいに対しての守り神では無く、工事安全祈願として行われる儀式。
地鎮祭を行う事で職人の安全を願い、土地の神様に挨拶した写真を撮れば、お客様にとっても安心する材料になるので販売戦略的やっている業者もあります。
昔ながら風習もしっかりやる業者さんの方が丁寧で安心!って思った人。
地鎮祭を行っていない建売では買いたくないって人は地場の工務店の物件を購入した方が良いでしょう。
更地時に購入してくれた方であれば地鎮祭を対応してくれるところもある。
1都3県エリアなど、物件がなかなか出ないエリアで建売が販売されたりすると、更地(条件付き売地)の時に購入する人もおります。
これを青田買いって言います。
建売業者は青田買いしてくれるお客様=神みたいなものです。(お金的にですよ)
この人達はハウスメーカー(注文住宅)と契約ない方はほぼ同じなのです。
地鎮祭をお願いすると、地鎮祭を行う費用は購入者持ちになりますが、建売業者もサービス精神を持って地鎮祭へのアドバイスをしてくれるでしょう。
但し、建売業者・建売しか売らない仲介会社の担当の中には、地鎮祭をやったことが無いって人は結構多いです。
特に私の営業していた東京・埼玉南部は地鎮祭をやったことが無い営業がいるのは十分あり得ます。
ここからは私個人のお願いですが、地鎮祭をやったことが無い担当者に当たっても怒らないであげて欲しい。
それだけ建売で地鎮祭をやるって言うのは珍しいことなんですよ。
地鎮祭を行っていない建売の完成物件を購入した方がお祓いする対処法とは
青田買いは建売にとって神みたいな物とお話しましたが、90%以上の建売は完成しなければ売れません。
ですから殆どの建売は地鎮祭をやっていないのが現実。
地鎮祭をやらない理由は分かった!でもせっかく一生に一度の買い物をしたんだからお祓い・・したいんだが
そんな希望を叶えるのが、地鎮祭では無く、建物が完成時に行う竣工祭を行うのがオススメです。
地鎮祭が土地の神様に工事の安全祈願を行う行事だとすると、竣工祭は工事が安全にできましたと土地の神様にお礼し、完成後も住む人の安全祈願をお願いする行事。
簡単に言えば、無事に工事ができました!ありがとうございますって土地の神様に挨拶するイメージと思えばわかりやすいでしょう。
竣工祭にかかる相場は、神主に支払う初穂料が3万~5万にプラスして建築業者の担当者に渡す手土産代が必要になります。
神主を見つけるのって大変じゃ無いの?神社に予約って言うと敷居が高く感じ、疑問に思う方も居るはず。
心配ありません。たった3分で終わります。
購入した物件の土地の氏神様を調べる方法は、神社本庁で電話して神社を教えてもらうだけ。
あとはその神社に竣工祭の依頼・費用相談・質問事項をすれば終わりです。
30分あれば予約することも可能ですよ。
やるのであれば早めに・・・引き渡し前の方が建売業者はありがたいかな。
元建売屋の私の本音。お祓いにお金を使うなら建物のインスペクションに使った方が有意義です(自称も居るので要注意)。
と!ここまでお祓いが気になるのであれば、竣工式をやった方が良いですと散々言ってきたわけですが、元建売業者からすると数万払うのであれば、建物のインスペクションを行う事をマジでオススメしますよ。
建売住宅も昔に比べて、品質も向上してきているのですが、ここ最近の職人不足により経験の少ない職人も1人で工事しているっていう厳しい現実があるんです。
私の別ブログでもジョブチューンの欠陥住宅Gメンから学ぶ欠陥住宅の5つの特徴と対応策を書いていますが、ここを担当していた営業担当がド素人過ぎて笑えてきたぐらい酷い。
もっと酷いのが下記の動画。
営業担当が一生懸命補修する方に伝えるけど、欠陥住宅を作ったハウスメーカーが保身のために営業マンを解雇したパターンです。
正直建売もそうだけど、注文住宅も欠陥住宅リスクは同じ。
むしろ建売よりも注文住宅の方が瑕疵担保責任保険の効力が弱いので、このリスクは建売の方が法律的には戦えるんですね。
建売を買うのであれば、竣工式にお金を使うのではなく、インスペクションを事前に行ってから住宅を購入した方が、契約する安心感も得られるのでオススメですよ。
ただインスペクションを行う業者の中にも、自称インスペクション屋がいて、建売なので注文と同仕様にしろとか、訳のわかんないことを言っていた奴も居るので要注意。
私もイライラしてましたからそういう奴には。
今だから話するけど、前にいた会社ではこういった不具合は無かったので我ながら良い会社に勤めていたなとは思います。
品質的はね。
まとめ
この記事で伝えたいこと!
☑建売住宅と注文住宅は購入者が付く時期が異なるため、建売住宅では地鎮祭を行わないのが基本。1日100棟完成させる業者もあるので地鎮祭に時間を使えないのが本音。
☑年間20棟程度の地場の工務店などは、昔ながらの風習を守る上、販売戦略的に地鎮祭を建売でもやっている会社がある。
☑地鎮祭を行っていない完成後の建売でも、お祓いがしたいのであれば竣工式。ただ元建売業者の私からして見れば、竣工式よりも契約前のインスペクションにお金を使った方がコスパもいいし、安心しながら契約できます。
建売で地鎮祭をやっていない=悪は勿体ないですよ。
是非参考になれば幸いです。